南瓜
autumn 生活

南瓜

かぼちゃ

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意味・由来

南瓜(かぼちゃ)は、ウリ科のつる性一年草の果実で、秋を代表する素朴で親しみ深い野菜の季語です。天文年間(16世紀中頃)にポルトガル船によってカンボジアから日本へ持ち込まれたことから「カンボジア」が訛って「かぼちゃ」と呼ばれるようになったと言われています。栄養価が高く保存性にも優れ、戦中戦後の食糧難を支えた歴史もあり、日本人の生活や原風景に深く根ざした温かみと力強さを持つ季語です。

この季語で詠むコツ

南瓜を詠む際は、その「重さ」「固さ」「ユーモラスな形状」に着目するのがポイントです。ただ畑にある様子を描くだけでなく、手にしたときのずっしりとした重み、包丁を入れるときの刃の抵抗感、ゴロゴロと転がっている無造作な姿など、五感を通じて得られる具体的な感触や動的な描写を取り入れることで、南瓜の持つ独特の存在感と生活感が生き生きと表現できます。

相性のいい言葉・取り合わせ

南瓜が持つ「無骨さ」や「素朴な日常性」を引き立てるために、台所、畑、土間、包丁、大鍋といった「生活の匂いがする言葉」と取り合わせるのが王道です。また、「転がる」「居座る」「ずっしり」「どっかと」といった、重さや動きを連想させるオノマトペや動詞との相性も抜群で、俳句にユーモアや安定感をもたらします。

南瓜」の俳句例 (3件)

南瓜の肥り過ぎたる嵐かな
正岡子規【現代語訳】畑の南瓜が丸々と肥り過ぎるほど大きく育っている、ちょうどそんな時期にやってきた激しい嵐(台風)であることよ。【鑑賞】大自然の猛威である「嵐」と、畑でどっしりと肥大化した「南瓜」の対比が鮮やかです。風雨にさらされながらも、びくともせず畑に転がっている南瓜のたくましさと豊穣の秋が感じられます。
南瓜引きづりて来てここに置く
高浜虚子【現代語訳】畑から大きくて重い南瓜を引きずるようにして運んできて、ひとまずこの場所にどんと置く。【鑑賞】「引きづりて来て」「ここに置く」という、極めて素朴で即物的な描写が、南瓜のずっしりとした重量感や存在感、そして収穫の確かな手応えを見事に描き出しています。作為のない言葉選びが光る名句です。
一つづつ南瓜に顔のある如し
細見綾子【現代語訳】収穫されて並んでいる南瓜を見ていると、そのゴツゴツとした一つひとつに、まるで人間の顔のような異なる個性があるように思えてくる。【鑑賞】形や大きさ、皮の凹凸がそれぞれ異なる南瓜のユーモラスな表情を「顔」と見立てた、愛嬌と優しさに満ちた一句です。それぞれの南瓜が持つ素朴な生命力が伝わってきます。

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