仕掛花火

仕掛花火

しかけはなび

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意味・由来

「仕掛花火(しかけはなび)」は、秋(初秋)の季語である「花火」の傍題(関連季語)の一つです。地上に組まれた木枠やロープなどに火薬を配置し、点火することで文字や絵、ナイアガラの滝のような壮大な火のカーテンを演出する花火を指します。打ち上げ花火が夜空高く一瞬で弾け散るのに対し、仕掛花火は一定時間燃え続け、地上近くで光や音のドラマチックな変化を見せるのが特徴です。

この季語で詠むコツ

仕掛花火を詠む際は、その「華やかさ」だけでなく「点火前後の明暗」や「消え去った後の静寂」に注目すると深い句になります。点火された瞬間に周囲の人々の顔や川面、木々が浮かび上がる劇的な情景や、激しく燃え盛る火薬の匂いと煙、そして仕掛けが燃え尽きた瞬間に押し寄せる夜の闇と潮騒・川音などの落差を描くのが効果的です。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 水や地形を表す言葉: 川面、水脈、波音、岸辺、闇の底
  • 五感(聴覚・嗅覚・触覚)に訴える言葉: 煙、火薬の香、どよめき、川風、夜気
  • 明暗や時間を示す言葉: まばゆき、消え際、残る煙、静けさ

仕掛花火」の俳句例 (3件)

仕掛花火消えてしまへば川の音
及川貞【現代語訳】賑やかに輝いていた仕掛花火が燃え尽きてしまうと、闇の中でただ川のせせらぎの音だけが聞こえてくる。 【鑑賞】視覚的な光の饗宴が終わった後に立ち現れる聴覚(川の音)に焦点を当てた句です。花火の華やかさと、それが去った後の秋の夜の寂寥感が見事に対比されています。
仕掛花火消えて静かな水となる
松本たかし【現代語訳】激しく燃え盛っていた仕掛花火が消えると、光を反射していた川面は再び元の静かな水に戻った。 【鑑賞】眩い光と轟音で沸き立っていた水辺が、花火が尽きた瞬間に一転して静寂を取り戻す対比を見事に捉えています。動から静への劇的な移り変わりと、水本来の澄んだ暗さが余韻として心に残る名句です。
仕掛花火消えて闇夜の戻りけり
日野草城【現代語訳】あれほど周囲を昼間のように照らしていた仕掛花火が消え、深い闇夜がふたたび戻ってきた。 【鑑賞】人工的な光の極致である仕掛花火が消えた瞬間、それまで隠れていた夜の深さが圧倒的な存在感を持って押し寄せてくる感覚を素直かつ鮮烈に詠み上げています。

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