川芎の花

川芎の花

せんきゅうのはな

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意味・由来\n「川芎(せんきゅう)」は中国原産のセリ科の多年草で、古くから重要な漢方薬として栽培されてきた薬用植物です。秋(9〜10月頃)になると、茎の先にセリ科特有の繊細な白い小花を傘状(複散形花序)に群がり咲かせます。生薬としては根茎が用いられ、独特の強い芳香を放ちます。咲く花自体は控えめで清らかな白さを持っていますが、薬草としての独特の強い匂いや薬効のイメージが重なることで、単なる秋の野花とは異なる、どこか神秘的で陰影のある情感を醸し出す季語となっています。\n\n### この季語で詠むコツ\n川芎の花は、その「小粒で清潔感のある白い花」の視覚的描写と、「薬草特有の強い香り」「漢方薬・薬草園」という嗅覚的・生活史的背景をどう響き合わせるかがポイントです。薬草園の静寂、山裾のひっそりとした畑、あるいは病や養生といったテーマと結びつけやすく、しっとりとした情緒ある句に仕立てやすい特徴があります。ただ白い花として詠むのではなく、薬草としての佇まいや秋の深まりを感じさせる影、匂いなどに着目してみましょう。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n- 場所・風景: 薬草園、畦道、山裾、谷、生薬屋、古寺、畑\n- 五感・情緒: 匂ひ、白さ、淡し、日影、朝霧、夕暮れ、静けさ\n- 動作・状態: 煎じる、煮る、乾す、こぼるる、散る

川芎の花」の俳句例 (3件)

川芎の花ちるや薬煮る煙
正岡子規【現代語訳】川芎の白い花がはらはらと散っている、その傍らで薬を煎じる煙が静かに立ち上っていることだ。\n【鑑賞】病床にあった子規らしい生活実感がにじむ一句です。薬効のある川芎の散りゆく花と、実際に薬を煮出す煙の取り合わせによって、秋の哀愁と切実な生への眼差しが静かに描かれています。
川芎の花咲く岨の朝日かな
水原秋桜子【現代語訳】川芎の花が咲いている険しい山道(岨道)に、爽やかな朝日が清々しく差し込んでいる。\n【鑑賞】「岨(そば)」は切り立った険しい崖や山道のこと。険しい地形に健気に咲く川芎の清楚な白い花が、朝日に照らし出される鮮やかな色彩美と清涼感が捉えられています。
川芎の花の暮れゆく匂ひかな
野見山朱鳥【現代語訳】川芎の花が夕暮れの薄闇に沈んでいくなか、その独特の香りが立ち込めてくることだ。\n【鑑賞】川芎の薬草特有の強い香気に着目した句です。視覚的に花が闇に溶けて見えなくなっていく一方で、夕気のなかで逆に際立ってくる花の匂いが、秋の夕暮れの深まりを濃密に演出しています。

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