空棚
autumn 天文

空棚

からだな

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意味・由来\n「空棚(からだな)」とは、お盆(盆行事)が終わった後に、供え物や飾り付けをすべて取り払ってがらんとした「精霊棚(盆棚)」のことを指す秋の季語です。賑やかだったお盆が終わり、先祖の霊を送り出した後の寂しさや虚脱感、そして季節が本格的な秋へと移り変わる初秋の哀愁を象徴しています。飾り立てられていた賑やかな時間との対比が、見る者に深い無常観を抱かせます。\n\n### この季語で詠むコツ\n「空棚」を詠む際には、単に「何もない棚」を描写するだけでなく、その「かつて何かがあった形跡」や「祭りの後の静けさ」に目を向けることがポイントです。例えば、棚に残されたわずかな埃、差し込む秋の光、あるいは片付けを終えた部屋に吹き抜ける風など、五感を使って周囲の微細な変化を捉えると、より叙情的な句に仕上がります。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n・光や影を表す言葉(西日、夕日、影、薄暗しなど)\n・静けさや風を感じさせる言葉(秋風、埃、留守、静けさなど)\n・片付けや残されたものを表す言葉(拭く、団扇、名残りなど)

空棚」の俳句例 (3件)

空棚や仏の留守のうす埃
炭太祇【現代語訳】盆棚が片付けられて空になった棚に、早くも薄っすらと埃が積もっている。仏様が(あの世へ)帰ってしまわれて、留守になった寂しさが身に染みることよ。【鑑賞】お盆が終わり、祖先の霊を送り出した後の「仏の留守」という表現が秀逸です。誰もいなくなった空間に積もり始める薄埃が、静けさと一抹の寂しさを際立たせています。
空棚に風の吹き入る日暮かな
与謝蕪村【現代語訳】お盆の飾りを片付けて空になった棚に、秋の風がそよそよと吹き込んでくる寂しい日暮れ時であることよ。【鑑賞】遮るもののなくなった空棚に通り抜ける風の感触を通して、空間の広がりと空虚さを描いています。夕暮れ時の薄暗い光と相まって、秋の訪れを静かに告げる名句です。
空棚のうしろ淋しき団扇かな
与謝蕪村【現代語訳】片付けられてがらんとした空棚のその裏側に、ぽつんと残されている団扇がなんとなく寂しそうに見えることだ。【鑑賞】役目を終えた空棚の陰に、使い古された団扇が忘れられたように残されている様子を捉えています。「うしろ淋しき」という主的な表現が、物言わぬ道具に宿る哀愁とお盆の終わりの寂しさを実に見事に表現しています。

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