里祭

里祭

さとまつり

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意味・由来\n「里祭(さとまつり)」は、秋に行われる農村や山里の神社の祭りを指す秋の季語です。実りの秋を迎え、作物が無事に収穫できたことへの感謝を神に捧げるために執り行われます。都の華やかで大規模な祭礼とは対照的に、村の人々が総出で準備する素朴で温かみのある風情が特徴です。鎮守の森に響く笛や太鼓の音、揺れる提灯の灯りなど、郷愁を強く誘う季語です。\n\n### この季語で詠むコツ\n単に祭りの賑やかさだけを描くのではなく、「里」という言葉が持つ素朴さや長閑(のどか)さを際立たせるのがコツです。山あいの夕暮れの早さや、遠くから風に乗って聞こえてくる太鼓の音(遠音)、祭りの前後に訪れる静寂などを取り合わせると、秋特有の深みや哀愁が引き立ちます。また、村の人々の素朴な笑顔や子どもたちの様子など、人間味のある情景を切り取るのも効果的です。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n- 音の描写:太鼓、笛の音、遠音(とおね)、ざわめき、神楽\n- 風景・時間:夕暮、杉木立、鎮守の森、畦道、暮色、提灯、稲架(はさ)\n- 人・情景:老い、子ども、振る舞い酒、古里、神輿、獅子舞

里祭」の俳句例 (3件)

里祭酒よき村のよき人ら
細見綾子【現代語訳】里祭りの日、美酒ができるこの村の、心の温かく情に厚い人々が集い祝っている。\n【鑑賞】米と水に恵まれた豊かな村の秋祭りを詠んだ句です。「酒よき村」「よき人ら」と「よき」を重ねることで、豊かな実りへの感謝と、素朴で温かな村人たちへの深い愛情と信頼が素直に表現されています。
里祭太鼓鳴り出でて暮れにけり
高浜虚子【現代語訳】山里の祭りで太鼓の音が威勢よく響き出し、やがて秋の日は暮れていった。\n【鑑賞】祭りの盛り上がりを告げる太鼓の音と、つるべ落としに暮れていく秋の夕景を鮮やかに対比させています。賑やかな祭りの音の中に、秋の日の短さとどこかもの寂しい情感が漂う名句です。
里祭杉の木立の暮れゆけり
前田普羅【現代語訳】里祭りの賑わいが続く中、神社を包む杉の木立が次第に夕闇に暮れていく。\n【鑑賞】神社の境内にそびえる杉木立の深い陰影を描くことで、山里の自然の深さと祭りの風情を捉えています。人の営みの賑やかさと、それを包み込む大自然の静けさの調和が重厚に響きます。

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