珊瑚

珊瑚

さんご

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意味・由来

「珊瑚(さんご)」は、海中の刺胞動物が形成する石灰質の骨軸であり、古くから宝石や装飾品として珍重されてきました。また俳句においては、海の宝石としての珊瑚だけでなく、秋に珊瑚のような艶やかな赤い実を結ぶ庭木「珊瑚樹(さんごじゅ)」の実を指して詠まれることも多くあります。深海から引き上げられた神秘的な紅色や、秋の澄んだ空気の中で熟す実の鮮やかさが、秋の冷涼な気配と調和することから秋の季語とされています。

この季語で詠むコツ

珊瑚の持つ「鮮やかな赤や桃色の色彩」「ひんやりとした硬質な手触り」「海や異国のロマン」に着目して詠むのがコツです。装飾品としての珊瑚(指輪や帯留、簪など)を詠む際は、秋の深まりとともに際立つ肌の白さや寂寥感と響き合わせると情感が生まれます。また、植物の珊瑚樹を詠む場合は、秋風や露、小鳥など自然の情景と取り合わせることで、実のみずみずしい存在感を際立たせることができます。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 色彩・光:「深紅」「紅(くれない)」「朱」「秋日」「木漏れ日」
  • 質感・装身具:「指輪」「環(わ)」「磨く」「冷やか」「細き指」
  • 自然・情景:「秋風」「潮騒」「秋気」「露」「小鳥

珊瑚」の俳句例 (3件)

珊瑚樹の赤きを剪りて供へけり
高浜虚子【現代語訳】珊瑚樹の赤く色づいた枝を剪定して、仏前(あるいは神前)に供えたことだ。【鑑賞】秋の庭に鮮やかに色づいた珊瑚樹の実を切り取り、供え物とする日常の一コマを詠んだ句です。「剪りて供へけり」という淡々とした措辞の中に、秋の澄んだ静けさと供物への敬虔な思い、そして実の鮮烈な赤がくっきりと浮かび上がります。
珊瑚の環嵌めて日焼の指細し
松本たかし【現代語訳】珊瑚の指輪をはめると、夏の日の名残である日焼けした指が、かえってほっそりと美しく見える。【鑑賞】宝石の珊瑚(指輪)を取り上げた繊細な句です。夏の名残の日焼け肌と、秋の訪れを感じさせる珊瑚の紅色の対比が美しく、指の細さやしなやかさが艶やかに描き出されています。
珊瑚樹の実の紅深き秋気かな
飯田蛇笏【現代語訳】珊瑚樹の実の紅色がいっそう深まる、澄み渡った秋の気配であることよ。【鑑賞】張り詰めた秋の空気(秋気)と、艶やかに深まる珊瑚樹の実の赤色との対比が格調高く表現されています。自然の厳しさと美しさを鋭く捉える蛇笏ならではの、重厚で緊張感のある秋の名句です。

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