鮭場

鮭場

さけば

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意味・由来

「鮭場(さけば)」とは、秋に産卵のために海から川へと遡上してくる鮭を捕獲するために設けられた漁場、またはその作業場のことです。主に北海道や東北、北陸などの寒冷地の河川に見られ、川を柵や網で遮る仕掛け(簗・ウライ)の周辺や、獲れた鮭の水揚げ・処理を行う小屋などを含めて指します。冷たい水しぶきの中で命がけで川を遡る鮭と、それを受け止める人々の活気や厳しさが入り混じる、晩秋の北国ならではの風情を持つ季語です。

この季語で詠むコツ

「鮭場」を詠む際は、場所が持つ独特の空気感・臨場感を捉えるのがポイントです。川の激しい水音、立ち込める水煙や川霧、水揚げ作業の威勢のいい掛け声、あるいは夕暮れの作業小屋に灯る明かりなど、視覚や聴覚、触覚(寒さ)を刺激する具体物を配すると生き生きとした句になります。北国の厳しい自然と、そこに生きる人々のたくましさや生活のぬくもりを対比させるのも効果的です。

相性のいい言葉・取り合わせ

・水や自然の情景:川音、水煙、川霧、濁流、夕日、月影、初霜 ・作業や生活の情景:かがり火、電燈、長靴、投網、掛け声、番小屋 ・感覚を表す言葉:冷たし、昏る(くる)、轟く、しぶく、あたたか

鮭場」の俳句例 (3件)

鮭場より人かへる道月高し
加藤楸邨【現代語訳】鮭の漁場での一日の作業を終え、人々が帰路につく頭上には、冴え渡る月が高く昇っている。 【鑑賞】川の激しい水音と活気に満ちていた鮭場から離れ、静けさを取り戻した帰り道を見上げる構成です。労働を終えた人々の安堵感と、北国の澄み切った冷気の中に浮かぶ高々とした月が、美しい静寂と詩情を醸し出しています。
鮭場出て夕日を惜しむ人あまた
石田波郷【現代語訳】鮭場での仕事を終えて外へ出ると、大勢の人々が沈みゆく夕日の温もりを惜しむように眺めている。 【鑑賞】冷たい水や厳しい川風の中で作業をしていた人々にとって、夕暮れの陽光は貴重な温もりの源です。「惜しむ人あまた」という表現から、過酷な作業を共にした漁師たちの連帯感と、晩秋の短い日暮れへの感慨が温かく描かれています。
鮭場の灯あかるき川を鮭のぼる
前田普羅【現代語訳】鮭場の作業灯が明るく川面を照らす中、光を浴びながら鮭が力強く川を遡っていく。 【鑑賞】夜になっても続く鮭場の灯りと、それに照らし出される川水のコントラストが鮮やかです。人間の設けた捕獲の場へ向かって、本能のままに力強く遡上してくる鮭の命の輝きと哀切が、素直かつ力強い写生で捉えられています。

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