鵙啼く
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意味・由来

「鵙啼く(もずなく)」は、秋を代表する鳥の季語です。スズメより少し大きな小鳥である鵙(モズ)は、秋になると単独で縄張りを持つ習性があり、「キチキチキチ」「キーッ」とけたたましく鋭い声で鳴き立てます。これは「鵙の高鳴き」とも呼ばれ、縄張りを主張するとともに冬の訪れを予告する風物詩として古くから親しまれてきました。澄み渡った秋の青空を切り裂くような鋭利な鳴き声は、秋の深まりや寂しさを強く印象づけます。

この季語で詠むコツ

姿そのものよりも「声の鋭さ」や「空間の広がり」を意識して詠むのがコツです。鵙の鳴き声は非常に甲高く通るため、周囲の静けさや大気の澄んだ冷たさと鮮やかなコントラストを描きます。木のてっぺんや電線にとまって鳴くことが多いため、見上げるような視線や、澄み切った高い空の広がりを取り合わせると立体的な句になります。また、鋭い声がもたらす寂寥感や、秋の日の傾きの早さに焦点を当てるのも効果的です。

相性のいい言葉・取り合わせ

・秋晴(あきばれ・秋の季語):澄み渡る青空と鋭い声の対比が際立ちます。 ・梢(こずえ・無季):高い木の先端にとまる鵙の姿を想起させます。 ・電線(でんせん・無季):日常の風景の中で突如響く鋭い鳴き声をリアルに描写できます。 ・庭石(にわいし・無季):人の気配が薄れた庭の静寂を強調します。 ・茜空(あかねぞら・無季):秋の早い日暮れの光景とよく響き合います。

「鵙啼く」の俳句例 (2件)

鵙啼くや一番高い木のさきに
正岡子規『寒山落木 巻一』(青空文庫)
鵙啼くや灘をひかえた岡の松
正岡子規『寒山落木 巻一』(青空文庫)

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