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「苦匏(くほう)」とは、苦味が強くて食用にならない瓢箪(ひょうたん)や夕顔の実、あるいはニガウリなどを指す秋の季語です。「匏(ほう・ふくべ)」はウリ科の植物の実を指し、漢語表現として俳諧に好んで取り入れられました。『論語』にある「自分は苦くて食べられない瓢箪のように、ただぶら下がって役に立たない存在ではない」という故事にも通じ、役に立たないもの、世に捨てられたものの風情や、わび・さびを帯びた哀愁を象徴する季語として詠まれます。
苦匏の持つ「役に立たない」「苦みがある」「ぶらりと実をつけている」という独特の寂寥感や野趣に着目するのがポイントです。つややかで美味しそうな秋の収穫物とは対照的に、棚の片隅で枯れかけた葉陰に忘れ去られたように下がる姿を描くと、秋の深まりや人生の哀歓が際立ちます。あえて漢語の硬い響き「くほう」を活かして、侘び住まいや枯淡の境地を表現するのも効果的です。
・棚(たな)、蔓(つる)、葉影(はかげ)、籬(まがき) ・庵(いお)、古庭(ふるにわ)、夕日(ゆうひ)、秋風(あきかぜ) ・ぶらりと、重たげに、見捨てられて、忘れられて