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「山梔子の実(くちなしのみ)」は、秋から初冬にかけて赤橙色に熟すクチナシの果実を指す三秋の季語です。初夏に甘く濃厚な香りの白い花を咲かせた後、秋になると先端に王冠のような尖った萼(がく)を残したユニークな形の実を結びます。熟しても実が裂開しない(口を開けない)ことから「口無し」の名がついたとも言われており、古くから栗きんとんやたくあんを黄色く染める天然染料や、消炎・鎮静の生薬「山梔子(さんしし)」として重宝されてきました。落ち着いた秋の景色の中で、鮮やかな朱黄色が目を引きます。
山梔子の実は、その「独特の尖ったフォルム」と「鮮やかな色合い」が大きな特徴です。つんつんと上を向いて尖る実の形状に着目したり、深まる秋の寒さの中でますます赤みを帯びていく色彩の変化を捉えたりすると、生き生きとした句になります。また、「口無し」という語感から漂う静けさや沈黙、秘密といった情緒的な背景をさりげなく重ねて詠むのも効果的です。
・形状・色彩を表す言葉(尖る、つんつんと、朱、黄、色づく、照る) ・季節の深まりを表す言葉(冷まじ、秋深し、時雨、夕日、小春) ・生活感のある言葉(染料、厨、薬袋、庭先、垣根)
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