芋の茎

芋の茎

いものくき

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意味・由来

「芋の茎(いものくき)」は、秋に収穫されるサトイモやハスイモの葉柄(ずいき)を指す秋の季語です。別名として「芋茎(ずいき/いもがら)」とも呼ばれます。皮を剥いて酢の物や煮物、味噌汁の具にするほか、天日干しにして保存食(干しずいき・芋がら)としても重宝されてきました。宮中料理から庶民の日常食まで広く親しまれた食材であり、華やかさよりも質素で滋味深い秋の生活感や、どこかユーモラスで哀愁漂う風情を象徴する季語です。

この季語で詠むコツ

「芋の茎」を詠む際は、その素朴な暮らしぶりや調理の情景、手仕事の感覚を具体的に描写するのがコツです。皮を筋状に剥くときの手触りや指先の冷たさ、天日干しにする際の秋の日差し、特有のシャキシャキとした食感など、五感を意識すると生き生きとした句になります。また、粗食や清貧の暮らし、仏前への供え物としての侘びた佇まいを詠み込むことで、深まる秋の哀愁を効果的に引き立てることができます。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 台所・生活の動作:皮をむく、干す、煮る、夕餉(ゆうげ)、厨(くりや)
  • 色や触覚:赤(赤ずいき)、紫、指の冷え、手触り、風の音
  • 秋の景物:秋風、夕日、障子、縁側、仏前

芋の茎」の俳句例 (3件)

芋の茎喰ふて秋風聞く夜哉
小林一茶【現代語訳】質素な芋の茎の料理を食べながら、外を吹き抜ける秋風の音を聞く夜であることよ。 【鑑賞】粗食に甘んじる暮らしの中で、耳に届く秋風の寂しさが染み入る一句です。一茶らしい飾らない生活感と、深まりゆく秋の侘しさが絶妙に響き合っています。
芋の茎むくや女の指の冷え
杉田久女【現代語訳】芋の茎の筋を剥いていると、指先がひんやりと冷たく冷えてくる。 【鑑賞】水仕事や秋の空気の冷たさを、女性ならではの鋭い触覚で捉えた写生句です。淡々とした日常の炊事風景の中に、季節の移ろいと身体感覚のリアリティが見事に表現されています。
芋の茎供へて仏さびしげに
正岡子規【現代語訳】仏前に芋の茎をお供えしたが、その質素なお供え物に仏様もどこか寂しそうに見える。 【鑑賞】華やかなご馳走ではなく芋の茎という素朴な供物を前にした仏の姿を、哀愁とユーモアを交えて描いています。病床にありながらも身の回りの秋を温かく見つめた子規らしい視点が光ります。

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