中尺鴫

中尺鴫

ちゅうしゃくしぎ

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意味・由来

中尺鴫(ちゅうしゃくしぎ)は、チドリ目シギ科に分類される旅鳥で、秋の季語です。シギ類の中でも大形の大尺鴫(だいしゃくしぎ)と小形の子尺鴫(こしゃくしぎ)の中間の大きさであることからこの名がつきました。下に緩やかに湾曲した長いくちばしが特徴で、秋の渡りの季節になると、干潟や海岸、河口、水田などに立ち寄ります。泥や砂の中に嘴を差し込んでカニや小魚、ゴカイなどを探す姿や、独特の甲高い澄んだ鳴き声は、広大な秋の海辺の寂寥感や旅の哀愁を際立たせます。

この季語で詠むコツ

中尺鴫を詠む際は、その特徴的な「長い曲がった嘴」の動きや、「干潟・波打ち際」という雄大な背景との対比に着目するのがポイントです。群れで飛来することもあれば、単独で干潟にぽつんと佇むこともあります。引き潮とともに広がる湿地や、秋の夕暮れの光線、引いては寄せる潮の満ち引きなど、海辺のダイナミックかつ静かな時間経過を捉えると、渡り鳥ならではの哀感が深まります。

相性のいい言葉・取り合わせ

・水辺の情景:干潟、潮引く、夕凪、浅瀬、波頭 ・光や風の描写:秋夕焼、暮色、秋風、潮風、残照 ・動作・生態:嘴(くちばし)、歩み、羽づくろい、群れ立つ、立ち止まる

中尺鴫」の俳句例 (3件)

中尺鴫潮のひきゆく速さかな
水原秋櫻子【現代語訳】中尺鴫が餌を探している干潟で、潮が引いていく速さに驚かされることだ。【鑑賞】広大な干潟に降り立った中尺鴫の姿を起点に、みるみるうちに潮が引いて砂地が広がっていく海のダイナミズムを捉えた一句です。秋の澄んだ光の中、自然の運行の確かさと、鳥の集中した佇まいが見事に対比されています。
中尺鴫一羽が立ちて皆立てる
福田蓼汀【現代語訳】中尺鴫の群れのうち、まず一羽が飛び立つと、それに続いて皆が一斉に立ち上がった。【鑑賞】群れで行動する中尺鴫の生態を、飾りのない写生によって見事に捉えています。干潟で静かに餌をついばんでいた群れが、リーダー格の一羽の動きに連鎖して一斉に飛び立つ緊張感と躍動感が、簡潔な言葉運びから鮮やかに伝わってきます。
中尺鴫遠き一羽を見失ふ
清崎敏郎【現代語訳】遠くの渚にいた中尺鴫の一羽を目で追っていたが、ふと見失ってしまった。【鑑賞】広々とした秋の干潟や波打ち際で、遠くの鳥を追う作者の視線を描いた句です。中尺鴫の保護色のような淡い色彩と広大な海の光の中に溶け込んでしまった鳥。その瞬間の茫漠とした喪失感と、秋ならではの寂寥感が静かに心に残ります。

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