覚猷忌
autumn 行事

覚猷忌

かくゆうき

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意味・由来

「覚猷忌(かくゆうき)」は、平安時代後期の僧であり、高名な絵師でもあった「鳥羽僧正(とばそうじょう)」こと覚猷の忌日です。時期は陰暦の9月15日(または16日)にあたり、秋の季語に分類されます。覚猷は、誰もが知る国宝『鳥獣人物戯画(鳥獣戯画)』の作者として伝えられており、ユーモアあふれる筆致でカエルやウサギ、サルといった動物たちを擬人化して描きました。彼の功績を偲び、その自由闊達な芸術精神やユーモアを噛みしめる日となっています。

この季語で詠むコツ

覚猷忌を詠む際は、『鳥獣戯画』に描かれているような動物たちの愛らしい仕草や、白黒の墨絵が持つシンプルかつ奥深い世界観、あるいは「おかしみ(風刺やユーモア)」を句に取り入れるのが効果的です。また、彼が過ごした寺寺の静けさや、秋が深まる自然の美しさと対比させることで、より哀愁と温かみのある句に仕上がります。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 戯画を思わせる言葉: 兎、蛙、猿、相撲、跳ねる、追いかけっこ
  • 筆彩を思わせる言葉: 墨、水、筆、紙、濃淡、落書き
  • 秋の静寂を示す言葉: 月夜、草の種、庵、冷まじ、秋風

覚猷忌」の俳句例 (3件)

覚猷忌や風に追はるる草の種
飯田蛇笏【現代語訳】鳥羽僧正の忌日の今日、風に追われるようにしてコロコロと草の種が転がっていくことよ。 【鑑賞】風に吹かれて軽快に転がっていく草の種の様子を、鳥獣戯画のコミカルな動物たちの動きになぞらえているかのような面白さがあります。寂寂とした秋の風景の中に、覚猷らしい「おかしみ」を見出した名作です。
草の戸に烏を画くや僧正忌
与謝蕪村【現代語訳】粗末な草庵の戸に、鳥羽僧正の忌日にちなんで烏の絵を描いていることだな。 【鑑賞】画人でもあった蕪村が、大先輩である鳥羽僧正(覚猷)に敬意を表し、自らも秋の日に烏を描いて偲んでいる様子が目に浮かびます。静寂の中に絵を愛する心の通い合いが感じられる、極めて風雅な一句です。
覚猷忌うさぎの耳のあたたかき
長谷川かな女【現代語訳】鳥羽僧正の忌日に、ふと触れたうさぎの耳がとてもあたたかく感じられることだ。 【鑑賞】鳥獣戯画の主役ともいえる「うさぎ」をモチーフにした一句。絵の中のうさぎから、目の前にある生きたうさぎへと視点が移り、その耳のぬくもりを通して、時を超えて生き続ける覚猷の生命への慈愛を感じさせてくれます。

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