秋成忌

秋成忌

あきなりき

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意味・由来

「秋成忌(あきなりき)」は、江戸時代後期の読本作者であり国学者でもある上田秋成(うえだあきなり)の忌日です。陰暦の6月27日(新暦の8月上旬頃)にあたり、季節は晩夏(夏)に分類されます。秋成は『雨月物語』や『春雨物語』などの優れた読本(よみほん)を著し、怪異小説の金字塔を打ち立てました。多才でありながらも、晩年は世を厭う孤高の姿勢を貫いた秋成の、知的で妖しく、どこか寂しげな魅力を偲びつつ詠まれる季語です。

この季語で詠むコツ

上田秋成の作品世界を背景に持たせることで、独特の怪奇美や幻想的な情調を醸し出すことができます。彼の代表作である『雨月物語』を連想させる「雨」「月」「夢」「幻」といった言葉を盛り込んだり、彼の偏屈ながらも風雅を愛した生き方にアプローチしたりすると良いでしょう。夏の終わりの寂寥感と、知的でミステリアスな雰囲気を重ね合わせることがポイントです。

相性のいい言葉・取り合わせ

・作品世界を象徴する言葉:雨、月、霧、怪談、青火、狐 ・秋成の別号やゆかりの言葉:無腸(むちょう)、剪枝庵(せんしあん)、茶、古書 ・夏の終わりの時間帯:夕風、夜の灯、うす闇、有明

秋成忌」の俳句例 (4件)

秋成忌雨月は雨をながしたる
秋成忌雨月を語る人もあり
岸風三楼【現代語訳】秋成の忌日である今日、彼の代表作である『雨月物語』について、しみじみと語り合っている人がいることだ。 【鑑賞】上田秋成の代表作『雨月物語』を想起し、その怪異かつ美しい世界観に浸る人々の様子を描いています。作者自身の秋成に対する深い敬慕の情が、他者を観察する静かな視線を通して上品に表現されています。
秋成忌夕風のこる無腸庵
大野林火【現代語訳】秋成の忌日に、彼がかつて過ごした「無腸庵」を訪れると、そこには今も夏の終わりの夕風が寂しげに残っている。 【鑑賞】「無腸」は秋成の号の一つ(無腸は蟹の異名で、世を拗ねた彼らしい命名)。その庵の跡に吹く夕風に、秋成の孤高で偏屈ながらも、どこまでも風雅を愛した生涯を重ね合わせています。
秋成の忌のともしびのうすみどり
阿波野青畝【現代語訳】秋成忌の夜にともされた灯火は、どことなく薄緑色を帯びて、妖しくも美しい輝きを放っている。 【鑑賞】『雨月物語』などの怪異小説にふさわしい「うすみどり」の灯火が非常に印象的な一句です。晩夏の夜の怪談めいた雰囲気と、秋成の持つ知的で少し冷徹な美意識が実に見事に調和しています。

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