秋場所

秋場所

あきばしょ

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意味・由来

「秋場所(あきばしょ)」とは、毎年九月に東京の両国国技館で開催される大相撲九月場所(秋の本場所)を指す仲秋の季語です。江戸時代の相撲興行が春秋の晴天の日に行われていた伝統を受け継いでおり、秋の澄んだ空気の中で熱戦が繰り広げられます。 猛暑の夏を越えて心身ともに充実した力士たちが激突する熱気と、館外や夕暮れに漂う秋の涼気や寂寥感との対比が、この季語の大きな魅力です。

この季語で詠むコツ

「力士のぶつかり合う迫力や歓声」といった動的な熱気だけでなく、「取組が終わった後の静けさ」「夕暮れの澄んだ風」「街へ繰り出す力士の後ろ姿」といった秋ならではの情緒(静と動のコントラスト)を捉えるのがポイントです。土俵上の勝負そのものだけでなく、テレビ観戦する日常の情景や、国技館周辺の下町の秋気を取り合わせるのも効果的です。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 聴覚・視覚の言葉:太鼓、懸賞旗、呼出(よびだし)、土俵、砂煙、歓声、拍手
  • 秋の自然・情景:澄む、秋風、夕月、鰯雲、黄落、下町、夕暮れ

秋場所」の俳句例 (3件)

秋場所や仕切りかさねて風澄めり
能村登四郎【現代語訳】秋場所の土俵で力士たちが何度も仕切りを繰り返すうちに、あたりを吹き抜ける風はいっそう澄み渡っていくようだ。 【鑑賞】制限時間いっぱいに向けて緊張が高まる土俵の気迫と、秋の澄み切った空気感が見事に調和しています。「風澄めり」という秋の季感が、力士の研ぎ澄まされた集中力と響き合い、凛とした美しさを生み出している名句です。
秋場所や下りて小さき大男
久保田万太郎【現代語訳】秋場所の土俵から下りて引き揚げていく力士は、土俵上の巨大な姿に比べてふと小さく見えたことよ。 【鑑賞】勝負を終えて花道を去る力士の哀愁や人間味を捉えた一句です。土俵上では巨漢に見えた力士が、敗戦や緊張の糸が切れた瞬間にどこか背中を丸め、小さく見えたという観察眼に、下町情緒と秋ならではのもの寂しさがにじんでいます。
秋場所の懸賞旗ゆく土俵かな
高浜虚子【現代語訳】秋場所の土俵の周りを、色とりどりの懸賞旗が次々と回っていくことだなあ。 【鑑賞】結びの一番など好取組の前に、呼出が掲げて土俵を一周する懸賞旗の列を客観写生で描いています。土俵を取り巻く華やかな熱気と観客のどよめき、そして秋の落ち着いた風情が共存する大相撲独特の雰囲気を素直に切り取っています。

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