蔵王権現角力

蔵王権現角力

ざおうごんげんすもう

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意味・由来

「蔵王権現角力(ざおうごんげんすもう)」は、秋の季語で、蔵王権現の秋の祭礼に合わせて神仏に奉納される相撲のことです。修験道の本尊である蔵王権現を祀る山形県や奈良県吉野、新潟県などの各地の神社・寺院で行われてきました。厳しい修行の地でもある霊山で、五穀豊穣や無病息災への祈りと感謝を込め、屈強な男たちが力と技を競い合います。神事としての厳粛さと、村人たちが集う秋祭りの素朴で熱気あふれる賑わいが一体となった季節の行事です。

この季語で詠むコツ

山寺や神社の境内という「神聖な空間」と、力士たちがぶつかり合う「生々しい熱気」の対比を描くのがポイントです。また、秋の澄んだ空気、高く茂る杉木立の影、土俵に舞う砂煙、遠くに響く太鼓の音など、視覚だけでなく聴覚や肌感覚を取り入れると、秋の風情がぐっと深まります。勝負の勝敗そのものよりも、取り巻く人々の歓声や、祭りのあとの静けさといった情景に焦点を当てるのも効果的です。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 境内の情景:杉木立、石段、注連縄(しめなわ)、砂煙、拝殿
  • 音や光:触れ太鼓、喚声、秋日、木漏れ日、夕日
  • 秋の気:秋風、冷やか、暮れ易し、澄む

蔵王権現角力」の俳句例 (3件)

権現の相撲見て居る雀かな
小林一茶【現代語訳】権現様の奉納相撲の熱気あふれる境内で、雀までもが土俵の勝負を見守っているようだ。 【鑑賞】神前で行われる相撲の賑わいの中に、ちょこんと居合わせた雀に目を向けた一茶らしい温かみのある一句です。村人たちの熱狂と小鳥の無心な姿が微笑ましいコントラストを生んでいます。
宮相撲太鼓ひびきて杉の秋
水原秋桜子【現代語訳】神社の奉納相撲の触れ太鼓が響き渡り、高くそびえる杉木立に秋の気配が満ちている。 【鑑賞】蔵王権現をはじめとする山深い神社の秋祭りを想起させる名句です。重厚な太鼓の音と、静まり返る杉木立の清澄な空気感が見事に調和しています。
山の日の早く暮れゆく相撲かな
飯田蛇笏【現代語訳】山あいの境内で行われている奉納相撲に熱中しているうちに、山の秋の日は早くも暮れてゆくことだ。 【鑑賞】霊山や山里の祭礼相撲の風情を詠んだ句です。熱戦に見入る人々の興奮と、山影に沈んでゆく秋の日のつるべ落としの早さが、季節の移ろいを感じさせます。

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