牛祭

牛祭

うしまつり

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意味・由来

「牛祭(うしまつり)」は、京都・太秦(うずまさ)の広隆寺で、毎年秋(旧暦9月12日、現在は10月中旬夜)に行われてきた伝統的な奇祭です。京都三大奇祭の一つに数えられます。異様な仮面をつけた「摩多羅神(まだらしん)」が牛に乗り、赤鬼・青鬼などの四天王を従えて練り歩き、独特の抑揚で祭文(さいもん)を読み上げる儀礼が特徴です。奇異でどこか神秘的な雰囲気が漂う、晩秋の風物詩として古くから俳句に詠まれてきました。

この季語で詠むコツ

牛祭は、祭りの持つ「異形・奇異な怪しさ」と、晩秋の「夜の冷気や寂寥感」の対比が大きな魅力です。賑やかな祭りというよりは、仮面、松明の炎、牛の足取り、暗闇に響く祭文の奇声といった、視覚的・聴覚的な特異さに焦点を当てると、場の独特な空気を鮮やかに捉えることができます。また、太秦の地名や古寺の歴史的背景と結びつけるのも効果的です。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 視覚・異形:仮面(面)、まだら神、四天王、松明、牛の背、暗がり
  • 聴覚・動作:祭文、奇声、読経、練り歩く、蹄の音
  • 季節感・情景:夜寒、秋冷、古寺、太秦、嵯峨野、篝火

牛祭」の俳句例 (3件)

牛祭太秦の夜の寒さかな
高浜虚子【現代語訳】太秦の広隆寺で行われる牛祭を見ていると、秋の夜の冷え込みが身にしみることだ。 【鑑賞】怪奇な儀礼が行われる牛祭の厳粛さと、晩秋の太秦の底冷えする夜気をストレートに詠み合わせた一句です。奇祭のただならぬ気配と夜の寒気が一体となり、実感が際立っています。
牛祭まだら神の手の白き
後藤夜半【現代語訳】牛祭の主役である摩多羅神の、袖からのぞく手が白く浮かび上がって見える。 【鑑賞】異様な仮面をつけた摩多羅神の全身ではなく、「手の白さ」という一点にクローズアップした鋭い写生句です。夜の闇や松明の炎に照らされた手の白さが、妖しくも幻想的な美しさを醸し出しています。
太秦の牛祭見て帰りけり
正岡子規【現代語訳】太秦の広隆寺の牛祭を観覧して、宿へと帰ってきたことだ。 【鑑賞】平明な言葉で祭りの見物をそのまま報告したような句ですが、「牛祭」という奇祭固有の強烈な余韻が読後感として残ります。異様な世界を体験した後の帰路の静けさが暗示されています。

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