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土筆(つくし)は、トクサ科のシダ植物であるスギナの地下茎から早春に顔を出す胞子茎のことです。先端の胞子穂が毛筆の穂先に似ていることから「土筆」の字が当てられました。また、地面から突き出るように生える様子から「突く子」と呼ばれたことが名前の由来ともいわれています。春のやわらかな日差しが届く野原や土手、道端にひょっこりと群れて生え、子どもから大人まで親しまれている春の代表的な季語です。
土筆を生き生きと詠むポイントは、目線の高さを低くして「発見の喜び」や「触れ合い」を捉えることです。背丈が低いため、大人の立った目線よりも、しゃがみ込んだときの土の近さや匂い、あたたかな日だまりを感じさせる描写とよく合います。また、散歩の途中で見つけた瞬間の驚きや、摘んだ土筆の「袴(はかま)」を家族でむく懐かしい日常の一コマを描くことで、親しみやすく温もりのある一句に仕上がります。
・土手、畦道、野原(春の長閑な風景を広げる言葉) ・摘む、袴、指先、掌(土筆に直に触れる動作や身体の部位) ・日なた、遠足、手籠、わらべ(春ののんびりとした暮らしや情景を伝える言葉)
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鹿の声して
杜の暮る
楓の葉
染まりて山の
色を編み
まだ聞かぬ
鹿の声待つ
山深し
十字路の
どこかに消ゆる
鹿の声
天空を
突いて地渡る
鹿の聲
鹿の声
ついぞ聞かずに
古希ならむ