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「遺教会(ゆいきょうえ)」とは、陰暦二月十五日の釈迦入滅の日(涅槃会)の前後に、釈迦が最後に弟子たちに残した遺言や教えをまとめた経典『仏遺教経(ぶつゆいきょうぎょう)』を講読・読誦する法要のことです。春の季語であり、主に寺院などで厳かに執り行われます。釈迦の死を悼むとともに、遺された尊い教えを静かに心に刻み直すための、精神的で厳粛な春の仏事です。
「ゆいきょうえ」と五音で収まりが良く、上五や下五に据えやすい季語です。涅槃会に連なる法要であるため、寺院の静寂や堂内の張り詰めた空気、僧侶の読誦する声、立ちのぼる線香の煙などを五感で捉えて描写すると効果的です。春先のまだ肌寒さが残る空気感や、堂内に差し込む柔らかな春の光などを取り合わせることで、厳かさの中にも季節の移ろいを感じさせる奥行きのある一句に仕上がります。
・堂の静寂、香の煙、経巻、木魚の音、僧の列(寺院の様子を表す言葉) ・春光(しゅんこう)、春浅し、春の暮、朧(おぼろ)(早春から仲春の風情を伝える春の言葉) ・山寺、石段、木立(情景を深める一般的な無季の言葉)