とろろ正月
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とろろ正月

とろろしょうがつ

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意味・由来

「とろろ正月」とは、正月の1月2日(地域によっては3日や4日)に「とろろ(自然薯や大和芋などをすりおろした汁)」を食べる習慣、あるいはその日のことを指します。「二日とろろ」とも呼ばれ、古くから正月の代表的な行事食として親しまれてきました。おせち料理やごちそうを贅沢に食べて少し疲れた胃腸をいたわるという先人の生活の知恵であり、また、長く伸びるとろろのように細く長く、健康に生きることを願う長寿延命の祈りも込められています。

この季語で詠むコツ

お正月の華やかで特別なハレの雰囲気から、少しずつ日常の気取らない時間へと戻っていく「変化の瞬間」を捉えるのがコツです。とろろをすり鉢ですりおろす「すりこぎの音」や、ずるずると音を立てて食べる様子、素朴な器など、五感を刺激する具体的な描写を取り入れると、生活感あふれる温かい句になります。

相性のいい言葉・取り合わせ

・食具・動作:「すり鉢」「すりこぎ」「箸」「ずるずると」「流し込む」 ・からだの感覚:「胃の腑」「休める」「のどごし」 ・生活の様子:「夫婦」「朝寝」「静か」「二日(ふつか)」

とろろ正月」の俳句例 (3件)

二日とろろ大まじめにてすりにけり
久保田万太郎【現代語訳】一月二日の「二日とろろ」を、とても真剣な表情ですり鉢に向かってすりおろしたことだよ。 【鑑賞】作者が真面目な顔をしてすりこぎを回している、ユーモラスでどこか愛らしい姿が浮かびます。お正月の伝統行事を丁寧に行う、昔ながらの丁寧な暮らしへの敬意と、お正月ののんびりとした時間がよく表現されています。
二日とろろ老の二人に多かりき
吉屋信子【現代語訳】一月二日のとろろ汁を用意したが、年老いた私たち二人にとっては、ずいぶんと量が多くできてしまったことだ。 【鑑賞】夫婦二人だけで静かに迎えるお正月の情景です。昔は賑やかだった食卓を思い起こしつつ、少し余ってしまったとろろを前に、老いの寂しさと、それでも穏やかに共に生きる二人の親密な時間が静かに表現されています。
二日とろろに箸のぬくもりありにけり
細見綾子【現代語訳】二日に食べる温かいとろろ汁に、箸を持つ手を通して、そして食卓を囲む家族の箸そのものに、じんわりとした温もりがあることだ。 【鑑賞】「箸のぬくもり」という表現が、とろろの温かさだけでなく、家庭の団欒や日常の安心感を鮮やかに伝えています。お正月という特別なイベントから、いつもの日常のささやかな幸せが戻ってきた瞬間を捉えた名作です。

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