初箒
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初箒

はつぼうき

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意味・由来

「初箒(はつぼうき)」は、新年を迎えて初めて行う掃除、あるいはその時に用いる箒を指す新年の季語です。古くから、元旦に掃き掃除をすると家に来た福の神を追い払ってしまうと信じられていたため、主に正月二日や三日の「掃き初め」の際に行われました。家や庭を清め、新しい一年の生活を厳かに、かつ気持ちよくスタートさせるための、日本の美しい生活習慣に根ざした言葉です。

この季語で詠むコツ

単なる日常の掃除風景として描くのではなく、「新年最初の掃除」という特別な瞬間における、心の引き締まりや清々しさを表現することが大切です。箒が畳や床、地面を擦るかすかな音、差し込む新年の光など、静かな五感の動きを捉えましょう。丁寧な手の動きや、おずおずとした使い始めの様子を写生することで、新春の厳かさが際立ちます。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 動作・音:「ササと」「静けさ」「おずおずと」「掃き出す」
  • 場所・光:「畳(たたみ)」「庭」「日の光」「床(ゆか)」「敷居」
  • 心情:「清々し」「新しき」「静心(しずごころ)」

初箒」の俳句例 (3件)

初箒畳のへりをはづしけり
阿波野青畝【現代語訳】新年の初箒を使っていると、畳の縁(へり)を傷つけないように、意識して少し箒を外して掃いていることだ。 【鑑賞】新年最初の掃除だからこそ、いつもより畳を大切に、丁寧に扱おうとする心理が、「畳のへりをはづし」という微細な写生によって見事に描かれています。丁寧で静かな新年の暮らしぶりが、道具を扱う手先を通して生き生きと伝わってくる名作です。
初箒さすがに塵と見えぬかな
服部嵐雪【現代語訳】新年最初に使う箒で掃き出されたものは、さすがにただの汚いゴミ(塵)のようには見えず、どこか清らかなものに感じられることだ。 【鑑賞】新春の「掃き初め」において、普段は嫌われる「塵」さえも、新年の清らかな空気の中では特別なものとして見えてしまうという、嵐雪のユーモラスで繊細な心の動きを描いた名句です。新年の寿ぎの気分が、お掃除という日常の行為を通して素直に表現されています。
初箒使ふてみんとすればかな
高浜虚子【現代語訳】新年の初箒を使ってみようと手に取ると、何か特別な厳かな気持ちになり、自然と感慨が湧いてくることだなあ。 【鑑賞】「使ってみようとすると」という極めて素朴な動作の始まりを描いています。日常の掃除道具である箒ですが、新年の「初箒」となるだけで、手に取る瞬間に美しい緊張感と新鮮な喜びが宿ります。「すればかな」という余韻に、虚子ならではの深い平穏の境地が滲み出ています。

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