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田村草(たむらそう)は、秋の山野や高原の日当たりのよい草原に自生するキク科タムラソウ属の多年草です。仲秋の8月から10月頃にかけて、アザミに酷似した優美な紅紫色の頭状花を咲かせます。外見はアザミとそっくりですが、決定的な違いは葉や茎に鋭い棘(とげ)がまったくないことです。そのため、アザミの持つ野性味や鋭さとは異なり、どこかふんわりとした優しげで清楚な佇まいを見せます。名の由来には、坂上田村麻呂が鈴鹿峠でこの草を愛でたという伝説や、多武峰(とうのみね)に咲いていたからなど諸説あります。
「アザミに似ているが棘がない」という植物的な特徴は、そのまま句の風情に直結します。手で触れても痛くない柔らかさ、どこか親しみやすく奥ゆかしい雰囲気を捉えるのがポイントです。また、自生地が高原や山路であるため、初秋から仲秋にかけての澄み切った秋気や、山を吹き渡る爽やかな風、ふと立ち込める山の霧など、山岳特有の大気感とともに詠み込むと、紅紫の花の美しさがより際立ちます。
・高原・峠・尾根・山路(生育環境を表す山岳の言葉) ・棘なき・やさしき・楚々として(棘がない特徴を捉える描写) ・秋風・山霧・夕明り・澄む(秋の山野の大気や光を表す言葉)
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