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「玉子天狗茸(たまごてんぐたけ)」は、秋の山林に発生するテングタケ科の毒キノコです。幼い頃は白い卵のような苞(つぼ)に包まれており、成長するとそれを破って傘を開く様子からこの名が付きました。欧米では「死の天使(Destroying Angel)」や「デスキャップ(Death Cap)」の異名を持ち、キノコの中でも屈指の猛毒種として知られています。しかしその恐ろしさとは裏腹に、滑らかで純白あるいは淡い緑黄色を帯びた傘や、均整の取れた姿形は息をのむほど気品があり美しいのが特徴です。俳句においては、その無垢な美しさと内に秘めた致死の毒という劇的な二面性が季語としての強い存在感を放ちます。
玉子天狗茸を詠む際は、「美」と「死(毒)」の対比を意識することが最大のポイントです。単に「恐ろしい毒キノコ」と直情的に詠むのではなく、森の奥深くでひっそりと佇む孤高の美しさや、純白の肌触り、湿り気のある森の静寂を描くことで、かえって内に潜む毒性の冷ややかさが際立ちます。また、卵から孵るかのような特有の造形美に注目し、命の始まりと死の気配が同居する妖しい雰囲気を捉えるのも効果的です。
・視覚・質感の言葉:純白、透き通る、なめらか、円し、木漏れ日、ほの白し ・場所・情景の言葉:深山、樹陰、苔筵(こけむしろ)、腐葉土、森のしじま ・心理・抽象の言葉:妖気、秘め事、誘う、孤独、冷徹、死神
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