隆盛忌

隆盛忌

たかもりき

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意味・由来

「隆盛忌(たかもりき)」は、幕末から明治初期にかけて活躍した維新の三傑の一人、西郷隆盛(南洲)の命日である9月24日を指す秋の季語です。傍題として「西郷忌(さいごうき)」や号を用いた「南洲忌(なんしゅうき)」とも呼ばれます。 明治10年(1877年)の西南戦争において、西郷隆盛は故郷・鹿児島(薩摩)の城山で自刃して生涯を閉じました。豪放磊落でありながら情に厚く、多くの人々に愛された西郷の波乱に満ちた生涯や非業の死を偲ぶ日として、秋の季語として定着しています。

この季語で詠むコツ

西郷隆盛という歴史的巨人の存在感を背景に持つため、句に重厚感や哀愁を漂わせやすい季語です。 西郷の終焉の地である「城山」や、雄大な「桜島」「錦江湾」など、鹿児島にまつわる風土・景観を取り合わせると、より実感がこもります。また、直接的な地名を出さずとも、秋の澄んだ空や吹き抜ける風、低く垂れ込める雲などの自然描写と重ね合わせることで、歴史のロマンや英雄への追悼の思いを深く表現することができます。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 地理・風土:桜島、城山、薩摩、錦江湾、南国
  • 天候・自然:秋風、秋雨、雲、夕茜、潮鳴り
  • 心情・情景:沈黙、巨躯、熱き血、無常、雄大

隆盛忌」の俳句例 (3件)

隆盛忌桜島より風立ちて
角川源義【現代語訳】西郷隆盛の命日である今日、桜島の方角から颯爽と風が吹き渡ってきた。 【鑑賞】雄大にそびえる桜島から吹く風に、かつて薩摩の地で生きた西郷隆盛の豪快な魂と気迫を感じ取った一句です。秋の訪れと歴史への深い追慕が見事に響き合っています。
城山を雲の這ひゆく南洲忌
有馬朗人【現代語訳】南洲(西郷隆盛)の命日、終焉の地である城山を、低い雲が這うように流れてゆく。 【鑑賞】「南洲忌」の重々しい空気を、山肌を這う雲の動きでダイナミックかつ叙情的に捉えています。城山を包む雲の姿が、時代の激動に散った西郷の無念や雄渾な気魄を連想させます。
城山の雨ぬくからむ西郷忌
久保田万太郎【現代語訳】西郷が最期を遂げた城山に降る秋雨は、どこか温もりを帯びていることだろう。 【鑑賞】「ぬくからむ」という推量に、西郷隆盛の人柄が持っていた情の厚さや温もりを重ね合わせています。冷たいはずの秋雨に情愛を感じさせる、万太郎らしい繊細で情感あふれる追悼句です。

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