添水

添水

そうず

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意味・由来

「添水(そうず)」とは、竹筒に水を引き入れ、水が満ちるとその重みで傾いて水を吐き出し、元の位置に戻る際に石や台座を「コーン」と打って音を響かせる仕掛けのことです。一般には「鹿威し(ししおどし)」の名でも親しまれています。元々は田畑を荒らす鹿や猪などの鳥獣を脅し追い払うための農具でしたが、その素朴で澄んだ音色と風情から、寺院や日本庭園の風物詩として定着しました。静けさの中に間を置いて響く乾いた音は、秋の深まりや寂寥感、時間の移ろいを際立たせるため、秋の季語とされています。

この季語で詠むコツ

添水を詠む際は、打撃音そのものを直接描写するだけでなく、「音が鳴り響いた瞬間に一層深まる静けさ」や「次の音が鳴るまでの張り詰めた間(ま)」を表現するのがコツです。また、竹を伝う水の清らかさ、庭の苔や岩の陰影、夕暮れの薄暗がりなど、視覚的な静寂と聴覚的なアクセントを対比させると、詩情豊かな深みのある句になります。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 庭の情景・自然(苔、竹林、庭石、露、落葉、紅葉)
  • 静けさや時間を表す言葉(静寂、しじま、暮色、夜長、澄む、間)
  • 水や音に関する表現(響く、滴り、澄む、余韻、かすか)

添水」の俳句例 (3件)

添水の音のつづきを待ちにけり
後藤比奈夫【現代語訳】一度鳴った添水の音の、次に訪れる響きを今か今かと静かに待ち続けていた。 【鑑賞】添水の醍醐味である「音と音の間の静寂」を見事に捉えた作品です。いつ鳴るか分からない次の音を待つ時間そのものが、秋のゆったりとした時の流れと心の内省を感じさせます。
添水して草木の眠り深からむ
川端茅舎【現代語訳】添水が時折コーンと音を立てることで、庭の草木たちの眠りはかえって一層深くなっていくようだ。 【鑑賞】茅舎特有の静謐で澄み切った感性が光る一句です。添水の音が鳴ることで、周囲の静けさが破られるのではなく、むしろ植物たちの安らかな眠りと庭のしじまが強調されています。
一ト間程暮れ行く庭の添水かな
加藤楸邨【現代語訳】部屋ひと間ほどの広さの庭が次第に夕暮れに包まれていく中で、添水が静かに鳴り響いている。 【鑑賞】「一ト間程」という限定された庭の空間に、秋の日の暮れゆく速さと添水の乾いた音が重なり合います。夕闇が迫る視覚と澄んだ聴覚が融合し、しみじみとした哀愁を醸し出しています。

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