精霊迎

精霊迎

しょうりょうむかえ

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意味・由来

「精霊迎(しょうりょうむかえ)」は、初秋(盂蘭盆の始まりである旧暦7月13日、現在では8月13日頃)の夕方に、先祖の御霊(精霊)をあの世から我が家へ迎え入れる行事のことです。傍題には「魂迎(たまむかえ)」や「迎火(むかえび)」などがあります。家の門口や辻で麻殻(おがら)を燃やして迎え火を焚き、盆提灯に灯りをともして、祖霊が道に迷わず帰ってこられるように祈ります。遠い先祖や亡くなった近親者を偲ぶ、日本人の敬虔で温かな祈りが込められた季語です。

この季語で詠むコツ

行事の手順を説明するだけでなく、迎え火の炎や煙の匂い、夕暮れの薄暗がり、風の気配など「五感」を通じた情景描写と結びつけることが大切です。また、亡き人への追慕や、迎えた後の家族の静けさ・寂寥感といった内面的な情感を滲ませることで、句に深い陰影と物語性が生まれます。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 視覚・光:迎え火、門火、提灯、夕暮、白煙、影
  • 聴覚・触覚:川音、風の音、草むらの虫、暮色、静けさ
  • 空間・場所:門口、辻、小道、仏間、縁側

精霊迎」の俳句例 (3件)

魂迎へて夕暮の水の音
飯田蛇笏【現代語訳】先祖の御霊をお迎えしたあと、夕暮れの闇の中でふと耳を澄ますと、川の水のせせらぎが静かに響いてくる。 【鑑賞】迎え火を終えたあとの深い静寂の中で、水音だけが際立って聞こえてくる情景を詠んでいます。現世と霊界が触れ合うような厳かで幽玄な夕暮れの気配が見事に捉えられています。
魂迎へ門火を焚くもひとりかな
種田山頭火【現代語訳】先祖の霊をお迎えするために門口で迎え火を焚いているが、その火を見つめる自分はたった一人きりなのだなあ。 【鑑賞】お盆という家族が集う行事において、孤独に火を焚く作者の寂寥感が赤裸々に描かれています。小さく揺れる炎と孤影が重なり、哀切な余韻を残す一句です。
魂迎ふ風の小道の行止り
山口青邨【現代語訳】御霊をお迎えする夕暮れ、風が吹き抜ける小道を歩いていくと、そこは行き止まりであった。 【鑑賞】「行き止まり」という空間の断絶が、この世とあの世の境界を感じさせます。吹き抜ける風の冷涼感とともに、目に見えない魂がそこに留まっているかのような不思議な臨場感を生み出しています。

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