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「新蕎麦(しんそば)」とは、その年の秋に収穫されたばかりの新蕎麦の実を使って打った蕎麦のことです。秋の収穫期に採れる「秋蕎麦」は特に風味が豊かで、みずみずしい緑がかった色味、爽やかな香り、独特の喉ごしが楽しめます。江戸時代から秋の味覚として庶民に親しまれ、蕎麦屋の軒先に「新蕎麦」の張り紙が出ると、人々は秋の深まりを実感しました。実りの秋と職人の粋を感じさせる晩秋の季語です。
新蕎麦を詠む際は、ただ「美味しい」と味覚を述べるだけでなく、打つ・茹でる・すする音や立ち上る香りなど「五感」を意識することがポイントです。また、暖簾(のれん)をくぐる街角の蕎麦屋の風情や、山あいの蕎麦処を訪ねる旅情、さらには新蕎麦を心待ちにしていた人々の弾む気持ちを取り入れると、ぐっと情緒豊かな句になります。