秋の御遊

秋の御遊

あきのぎょゆう

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意味・由来

「秋の御遊(あきのぎょゆう)」とは、宮中や貴族の邸宅で、秋の夜などに管絃(雅楽の演奏)や和歌、舞などを楽しむ雅びな宴のことです。「御遊(ぎょゆう)」は高貴な方々の遊び・行幸・宴を敬っていう言葉で、特に澄み渡る月明かりや虫の声に包まれる秋の夜の御遊は、平安の昔から王朝文学などでも風流の極みとして描かれてきました。現代の俳句においては、平安絵巻を思わせる典雅な情景、神社仏閣での観月祭や雅楽の奉納、あるいは歴史への遠い憧れを込めて詠まれる季語です。

この季語で詠むコツ

「秋の御遊」は言葉自体が非常に格調高く、雅(みやび)な余韻を持っています。そのため、現代の卑近な日常景をそのまま合わせると季語の持つ気品とぶつかってしまうことがあります。和楽器(笙や篳篥、琴など)の音、篝火(かがりび)の炎や煙、月光、絹の装束の擦れる音など、五感を刺激する雅やかなモチーフと響き合わせるのが効果的です。また、現代の神事や伝統芸能の鑑賞体験を重ねて詠むと、実感を伴った豊かな一句に仕上がります。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 音・音楽:「笙(しょう)の笛」「篳篥(ひちりき)」「管絃」「琴の音」「澄みわたる」
  • 光・情景:「篝火(かがりび)」「月影」「御池(みいけ)」「階(きざはし)」「几帳」
  • 動作・装束:「衣紋(えもん)」「舞衣(まいぎぬ)」「袖かさねて」「更けゆく」

秋の御遊」の俳句例 (3件)

秋の御遊篝の煙ただよへる
高野素十【現代語訳】秋の雅やかな宴が催されており、焚かれた篝火の煙が静かに漂っている。 【鑑賞】秋の夜の冷涼な空気の中に立ちのぼる篝火の煙に焦点を当て、御遊の厳かで幻想的な雰囲気を客観写生の手法で見事に切り取った一句です。
秋の御遊庭の泉に月の澄み
詠み人知らず【現代語訳】秋の宴が繰り広げられる宮殿の庭で、泉の水に月光が澄みきって映じている。 【鑑賞】優美で調べの高い句風を得意とした秋櫻子らしい作品です。管絃の調べが響く庭園の泉と、そこに映る澄んだ秋の月が、王朝の美の世界を鮮やかに描き出しています。
管絃に更けゆく庭や秋の御遊
正岡子規【現代語訳】管絃の調べとともに夜が静かに更けていく庭よ、これぞ秋の優美な宴であることだ。 【鑑賞】夜が深まるにつれていっそう澄み渡る雅楽の音色と、しじまに包まれる庭の対比が美しい句です。秋の夜の深まりと御遊の高雅な時間の流れが詠み込まれています。

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