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「餞月(せんげつ)」とは、秋の美しい月(特に陰暦八月の名月や、八月尽の月)が過ぎ去るのを惜しみ、見送ることを意味する晩秋の季語です。「餞(はなむけ)」には旅立つ人を送るという意味があり、中秋の名月をはじめとする秋の素晴らしい月光の季節に別れを告げ、冬へと向かう季節の推移を情緒豊かに捉えた言葉です。澄み渡る夜空に浮かぶ月に感謝と名残惜しさを捧げる、日本人の繊細な美意識が込められています。
満ち足りた名月の華やかさから一転して、次第に冷気を帯びて欠けてゆく月影や、夜の深まりによる寂寥感(せつなさ・もの寂しさ)を描き出すのがポイントです。単に月を眺めるだけでなく、去りゆく季節を見送る心情や、静けさを際立たせる周囲の物音・光景(波音、木々の葉音、冷たい露など)に焦点を当てると、余韻のある深い句になります。
・視覚・光:露光(つゆひかり)、梢(こずえ)、影、残る、傾く ・聴覚・静寂:波の音、夜半(よわ)、風の音、遠鳴り ・心情・動作:見送る、惜しむ、別れ、去る、佇む
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