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「猿笛(さるぶえ)」とは、秋の収穫期に山から下りてきて畑や果樹を荒らす猿を威嚇し、追い払うために吹く竹製や木製の素朴な笛のことです。また、猿回しが芸の合図として用いる笛を指すこともあります。俳句においては主に前者の、山里で害獣を追うための笛として詠まれ、澄んだ秋の空気を震わせる甲高い鋭い音色が特徴です。秋の豊かな実りと、それを守ろうとする山里の厳しい暮らし、そして深まりゆく秋の寂寥感や哀愁を象徴する生活・人事に根ざした季語です。
猿笛を詠む際は、その「音の響き」を主軸にしつつ、視覚的な山里の風景と対比させることがポイントです。笛の音そのものをただ説明するのではなく、山肌に木霊(こだま)する様子や、夕暮れの静寂を破る鋭さなどを切り取ることで、聴覚的な臨場感が生まれます。また、笛を吹いている人の気配や、猿との知恵比べのような緊迫感を描くと、情景に奥行きが加わります。
・里山の自然や実り:柿、栗、棚田、山畑、薄(すすき) ・時間や光の描写:夕日影(ゆうひかげ)、暮色、夕靄、秋日 ・空間や聴覚の言葉:こだま、谷深し、山深し、尾根、静寂
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