珊瑚草

珊瑚草

さんごそう

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意味・由来

珊瑚草(さんごそう)は、塩分を含む湿地に自生するヒユ科(旧アカザ科)の一年草で、正式名称を「アッケシソウ(厚岸草)」といいます。北海道の能取湖(網走市)や厚岸湖などの塩湿地が群生地として知られています。秋になると茎や枝が緑色から鮮やかな赤紫色や真紅へと色づき、その姿がまるで海の中の珊瑚のように美しいことから「珊瑚草」と呼ばれるようになりました。晩秋の北国の干潟や湖畔を一面の赤い絨毯のように染め上げる、秋の情緒豊かな季語です。

この季語で詠むコツ

珊瑚草の最大の特徴は、広大な塩湿地一面を染め上げる「圧倒的な紅の色彩」と「北国の厳しい自然環境」にあります。単に「赤い」と描写するだけでなく、夕陽の光との対比、引き潮の干潟の泥や塩の白さ、オホーツクの青い空や冷たい海風など、周囲の雄大な景観や色調を取り合わせると鮮烈な印象を生み出せます。晩秋の寒さや寂寥感、旅情を背景に響かせると、より深みのある句になります。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 地理・地形:能取湖、オホーツク、干潟、潮溜まり、入江
  • 色彩・光:夕映、茜、残照、白潮、群青
  • 気候・環境:北風、潮風、冷気、暮れなづむ、波音

珊瑚草」の俳句例 (3件)

珊瑚草北の干潟のくれなゐに
角川源義【現代語訳】北国の冷たい干潟が、珊瑚草によって一面鮮やかな紅色に染まっている。 【鑑賞】「北の干潟」という言葉が、荒涼とした寒々しい北国の風景を想起させます。その冷涼な湿地に鮮烈な「くれなゐ」が広がる色彩対比が見事で、過酷な自然の中で力強く輝く生命の美しさを鮮烈に描き出しています。
夕映の能取湖にして珊瑚草
稲畑汀子【現代語訳】夕陽に美しく照らされる能取湖のほとりに、鮮やかに色づいた珊瑚草が広がっていることよ。 【鑑賞】北海道網走市の能取湖は日本一の珊瑚草群生地として名高い場所です。夕暮れどきの茜色の空と湖面、そして干潟一面を紅に染める珊瑚草の光景をシンプルかつ素直に捉えています。自然の壮大な美しさを写生した格調高い一句です。
珊瑚草紅き一面オホーツク
福田甲子雄【現代語訳】一面が真っ赤に染まった珊瑚草の向こうに、果てしないオホーツクの海が広がっている。 【鑑賞】視覚的な広がりとスケール感が圧倒的な句です。「珊瑚草の赤」と「オホーツク海の青・冷たさ」という雄大なコントラストを大胆に表現しています。北辺の秋の厳しさと華やかさが同時に伝わってきます。

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