鯖雲

鯖雲

さばぐも

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意味・由来

鯖雲(さばぐも)とは、秋の澄み渡った高い空に見られる巻積雲や高積雲の一種です。小さな雲の塊が無数に並び、波状や斑状のうねりを作っている様子が、鯖の背中の美しい縞模様に似ていることから名付けられました。同様の雲に「鰯雲(いわしぐも)」や「鱗雲(うろこぐも)」がありますが、鯖雲は特にダイナミックな波のうねりや広がり、立体的な陰影を連想させる季語として用いられます。

この季語で詠むコツ

鯖雲は秋空一面に広がる雄大さと、刻々と姿を変える繊細さを併せ持っています。空の模様だけを描写するのではなく、山並みや海、旅路、街の風景など地上の情景と対比させることで、秋の空間の高さや広がりが際立ちます。また、夕暮れ時の光の変化や、風の感触、旅情や哀愁といった内面的な感情を取り合わせるのも効果的です。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 自然・風景:青空、山影、渚、波、風、夕暮、湖水
  • 人事・情景:旅、仰ぐ、歩む、道、岬、静けさ

鯖雲」の俳句例 (3件)

鯖雲や十里の渚波たたず
臼田亜浪【現代語訳】空一面に鯖雲が広がり、見渡す限り遥か十里も続く砂浜には、打ち寄せる波すら立たず静まり返っている。 【鑑賞】天高く広がる鯖雲の波模様と、波一つ立たない静寂な海の広がりが見事な対比をなしています。秋の澄み切った大気と、どこまでも続く水平線の雄大な静けさが心に染み渡る名句です。
鯖雲やしづかに移る山の影
詠み人知らず【現代語訳】見事な鯖雲が浮かぶ秋の空のもと、日の傾きとともに山の影が静かに動いていく。 【鑑賞】高い空の鯖雲の繊細な表情と、地上に落ちる山影のゆっくりとした動きを捉えています。秋の時間の静かな推移と、自然の澄んだ美しさを絵画的に表現した作品です。
鯖雲や旅ゆく人に風生れて
富安風生【現代語訳】空には美しい鯖雲が広がり、旅路を行く人に向かって心地よい秋風がすっと吹き抜けていく。 【鑑賞】頭上の高い鯖雲と、旅人の肌を撫でる涼やかな風が、秋の旅情をさわやかに描き出しています。自然と人が調和した、温かみと季節の情緒にあふれる一句です。

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