女七夕

女七夕

おんなたなばた・めたなばた

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意味・由来

「女七夕(おんなたなばた・めたなばた)」とは、陰暦7月7日の七夕の翌日である7月8日、または女性たちを中心に行われる七夕の行事を指す秋の季語です。もともと七夕の起源である「乞巧奠(きっこうでん)」は、織女星にあやかって機織りや裁縫、手芸、書道などの上達を祈る女性主体の宮中行事でした。この伝統を受け継ぎ、針供養のように針仕事の手を休めて女性同士で語り合ったり、手わざの上達を願ったりする風習が「女七夕」として定着しました。星祭りの華やかさから一歩引き、女性たちの日常や祈り、落ち着いた情趣を漂わせる季語です。

この季語で詠むコツ

織姫に心を寄せる女性の細やかな心情や、裁縫箱・針・糸・布・櫛・手鏡といった生活感のある身の回りの小道具を取り入れると、季語の持つ情緒がぐっと深まります。また、七夕当日の浮き立った雰囲気の翌日という「祭りのあとの静けさ」や、初秋の少し涼しくなった夜の気配を描くことで、大人の落ち着きや哀愁を表現することができます。

相性のいい言葉・取り合わせ

・身の回りの品:針箱、絹糸、手鏡、紅筆、櫛、硯 ・動作や情景:糸を引く、針を繕う、髪を梳く、宵闇、燈火 ・心情や気配:静けさ、しのびやか、なごり、息づかい

女七夕」の俳句例 (3件)

女七夕小町の寺をまかりいで
久保田万太郎【現代語訳】女七夕の日に、小野小町ゆかりの寺を退出したことだ。 【鑑賞】平安の才女・小野小町を祀る寺(随心院など)に参詣した後の風情を詠んだ句です。「まかりいで」という古風な言いまわしが、女七夕という雅やかで少し古風な季語の響きと見事に調和しています。美と才能に恵まれた小町への追慕とともに、初秋のしっとりとした情緒が漂います。
女七夕硯に水をたらしけり
阿波野青畝【現代語訳】女七夕の静かな時間に、硯へと水を一滴たらしたことだ。 【鑑賞】七夕に梶の葉や短冊へ文字を書く風習や、技芸上達の祈願を背景にした一句です。水滴が硯に落ちる一瞬の静寂と、これから墨を磨ろうとする集中の所作が美しく切り取られています。「水たらす」という簡潔な動作が、初秋の澄んだ空気感と女七夕の奥ゆかしさを際立たせています。
女七夕針箱の針数へけり
長谷川かな女【現代語訳】女七夕の今日、裁縫箱の中の針を一本一本数えたことだ。 【鑑賞】裁縫の上達を願う乞巧奠の風情を、日常の「針箱の針を数える」という具体的な動作で捉えた名句です。女性俳人ならではの繊細な視線が光り、針の冷たい光や小ささから、日々の針仕事への愛着や女性としての慎ましい祈りが静かに伝わってきます。

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