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「鬼の捨子(おにのすてご)」は、ヤマノイモ科の蔓性多年草「オニドコロ(鬼野老)」の熟した実(蒴果)を指す秋の季語です。オニドコロは秋になると三つの翼状の突起を持つ独特な形の実を結び、熟すと乾燥して裂け、種子を風に飛ばします。その不思議で乾いた実の形状や、親から見捨てられて藪の中にぽつんと残されたような哀愁漂う姿から「鬼が産み捨てていった子」というユーモラスでどこか切ない名がつけられました。
「鬼の捨子」という言葉自体が非常に強い物語性と哀憐の響きを持っています。実のからからと乾いた音や、晩秋の風に揺れる軽さ、枯れ草に紛れるような寂しげな存在感を写生するのが基本です。名前の劇的な響きに頼りすぎず、藪や山道の情景、秋晴れの光や肌寒い風の感触など、具体的な自然描写と組み合わせることで、季語の持つ哀愁と風情が引き立ちます。
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