ねぶた貼る

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意味・由来

「ねぶた貼る(ねぷた貼る)」は、青森県各地で行われる代表的な夏祭り「ねぶた祭(ねぷた祭)」の準備として、山車の骨組みに和紙を貼り合わせる作業を指す季語です。季節の分類としては立秋前後の「初秋」に属します。ねぶたは角材や針金で武者絵などの複雑な立体骨格を組み、その上から白無地の奉書紙や和紙を小麦粉糊などで丁寧に貼り重ねて立体面を作り上げていきます。この紙貼りが終わって初めて蝋引きや彩色などの工程に進むことができるため、ねぶたの造形に命を吹き込む極めて重要で熱気あふれる作業です。

この季語で詠むコツ

本番の華やかな運行風景ではなく、「祭りを待つ高揚感」や「制作現場の泥臭い迫力」に焦点を当てるのがコツです。巨大な骨組みがそびえる制作小屋(ねぶた小屋)の暗がりと裸電球の明かり、骨組みとなる針金や竹の弾力、和紙を撫で付ける手のひらの感触、大量に用いられる糊の匂いや夜風の冷たさなど、五感を総動員して現場の臨場感を切り取ると、深みのある句になります。

相性のいい言葉・取り合わせ

・視覚:針金、骨、和紙、白、指先、裸電球、夜気、小屋 ・嗅覚・触覚:糊(のり)、乾く、湿り、汗、かすれ ・時間・情景:夜なべ、徹夜、夕風、津軽、祭待つ、集ふ

ねぶた貼る」の俳句例 (3件)

ねぶた貼る小屋のあかりに集ひけり
石田勝彦【現代語訳】ねぶたの紙貼り作業が行われている小屋の明るい灯火に、人々が自然と集まってきたことだ。【鑑賞】祭りの本番を前にした、夜の制作小屋独特の親密な熱気と連帯感を描いた句です。漏れ出る光に引き寄せられるように集まる人々の姿から、町全体で祭りを創り上げようとする津軽の人々の誇りと期待感が温かく伝わってきます。
針金を骨としねぶた貼られけり
成田千空【現代語訳】むき出しの針金を骨組みとして、その上に今まさにねぶたの白い和紙が丹念に貼り重ねられていくことだ。【鑑賞】青森の風土を詠み続けた成田千空による力強い一句。無機質で無骨な針金の骨組みに和紙が貼られ、徐々に巨大な武者人形の肉体となって命が吹き込まれていく制作現場の緊張感と造形美が見事に表現されています。
ねぶた貼る糊のにほひに夜を更かし
皆川盤水【現代語訳】ねぶたに和紙を貼り重ねる糊の匂いが濃く漂う中で、熱中して夜を更かしてしまった。【鑑賞】制作小屋に立ち込める糊の匂いという嗅覚の描写が、本番を直前に控えた現場の焦燥と高揚を鮮明に浮かび上がらせています。祭りに情熱を注ぎ、時間を忘れて作業に打ち込む人々のひたむきな熱気が静かに響く秀句です。

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