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石田勝彦

いしだかつひこ

作風・特徴

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代表句 (6件)

桂郎忌町に鏡の多きこと
季語: 桂郎忌 (autumn)
【現代語訳】桂郎忌の日に街を歩いていると、理髪店などの鏡がやけに目に留まることよ。 【鑑賞】下町の街並みを歩きながら、ふと目に入る鏡の数々に桂郎の面影を重ねています。理髪店に並ぶ鏡が街の光や影を反射する情景を通して、市井に溶け込んでいた桂郎の気配を鮮やかに捉えた秀句です。
国体の旗ひるがへる秋茜
季語: 国体大会 (autumn)
【現代語訳】国体の旗が高々と翻る空を、赤とんぼ(秋茜)が無数に飛び交っている。\n【鑑賞】競技場や街並みに掲げられた大会旗の人工的な色彩と、夕暮れや秋空を舞う赤とんぼの自然の色彩が美しく溶け合い、華やかさのなかに秋の深まりを感じさせます。
ねぶた貼る小屋のあかりに集ひけり
季語: ねぶた貼る (autumn)
【現代語訳】ねぶたの紙貼り作業が行われている小屋の明るい灯火に、人々が自然と集まってきたことだ。【鑑賞】祭りの本番を前にした、夜の制作小屋独特の親密な熱気と連帯感を描いた句です。漏れ出る光に引き寄せられるように集まる人々の姿から、町全体で祭りを創り上げようとする津軽の人々の誇りと期待感が温かく伝わってきます。
残る海猫の白さきはまり暮れにけり
季語: 残る海猫 (autumn)
【現代語訳】秋の浜辺に取り残された海猫の羽の白さが、夕闇の中でいっそう際立ち、やがてそのまま日が暮れてしまった。【鑑賞】暮れゆく秋の渚の薄暗がりと、海猫の純白の羽毛のコントラストを捉えた写生句です。暗くなるにつれて際立つ白さが、取り残された者の孤高と静かな寂寥感を鮮烈に印象づけます。
玉水木山川青き日なりけり
季語: 玉水木 (autumn)
【現代語訳】玉水木の赤い実が輝き、山も川も澄みきって青々と美しく見える秋晴れの日であることよ。 【鑑賞】「玉水木」の鮮やかな赤と、「山川」の青さという大胆な色彩対比が清々しい名句です。秋の澄みわたる大気の透明感と、晩秋の山間にひっそりと灯るような実の存在感が調和し、明るく晴れやかな情景が立ち上がります。
蕃山忌水音遠くなりにけり
季語: 蕃山忌 (autumn)
【現代語訳】蕃山忌を迎えたこの地を歩いていると、いつしか水の流れる音が遠ざかっていった。 【鑑賞】治水に力を注いだ蕃山を象徴する「水」をモチーフにしながら、その水音が遠のくことで訪れる秋の静寂を捉えています。かつての偉業と時代の移ろい、幽閉の地における学者の孤独な晩年が、水音のフェードアウトという聴覚的描写に見事に昇華されています。