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「茗荷の子(みょうがのこ)」は、初夏から夏にかけて地下茎から土を押し分けて顔を出す、茗荷の花穂(蕾)のことです。私たちが普段薬味や酢の物として美味しくいただいている赤紫色の部分を指します。独特の清涼感ある芳香とシャキッとした歯ざわりが特徴で、夏の食卓に欠かせない味覚です。お釈迦様の弟子で物覚えの芳しくなかった周利槃特(しゅりはんどく)の墓から生えたという言い伝えから、「食べると物忘れをする」という滑稽味のある俗信でも古くから親しまれています。
茗荷の子を詠む際は、その「生えている場所」や「香り・色彩」に注目するのがおすすめです。庭の隅や藪の陰など、日のあまり当たらない湿った黒土からひょっこりと芽を出す健気さや、土の匂いと独特の清々しい芳香の対比を描くと臨場感が出ます。また、素麺や冷奴の薬味として刻む台所の生活感、包丁を入れた瞬間の鮮やかな紅紫と白の断面に焦点を当てるのも効果的です。物忘れの伝承を活かして、日常のちょっとした失敗をユーモラスに詠み込むのも面白いでしょう。
・食の情景:まな板、冷奴、素麺、薬味、刻む、小鉢 ・場所や環境:やぶ陰、庭の隅、湿り土、木陰、井戸水 ・様子や色彩:赤紫、土まみれ、露、みずみずし、薄紅