木の実独楽
autumn 植物

木の実独楽

このみごま

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意味・由来

木の実独楽(このみごま)」は、秋に拾った椎(しい)の実や団栗(どんぐり)などに、爪楊枝やマッチの軸などを突き刺して作る手作りの独楽(こま)のことです。既製品の玩具が少なかった時代、子どもたちが身近な自然の恵みを利用して自作した、素朴で温かみのある秋の季語です。指先でひねるだけで簡単に回り、どんぐりの形状によって回り方に個性が出るのも魅力です。

この季語で詠むコツ

木の実独楽が回っている時の「ブレのない静かな回り方(澄む、眠るなどと表現されます)」や、勢いがなくなって「ころりと倒れる瞬間」など、独楽の細かな動きに注目すると臨場感が出ます。また、かつて自分が遊んだ記憶や、現代の子どもたちと公園で拾った実で作る光景など、世代を超えた温かい時間の流れを意識して詠むのもおすすめです。

相性のいい言葉・取り合わせ

独楽の動きを表す言葉(「澄む」「ブレる」「眠る」「傾く」「倒る」など)や、手元の動作(「ひねる」「つまむ」「削る」)、また遊んでいる場所(「縁側」「畳」「机」「手のひら」)など、身近で静かな空間を想起させる言葉と非常によく調和します。

木の実独楽」の俳句例 (3件)

木の実独楽よくまはるのを貰ひけり
細見綾子【現代語訳】手作りの木の実独楽の中で、特によく回るものを人から分けてもらったことだ。【鑑賞】子どもたちの遊び道具である木の実独楽。たくさんある中から、軸がぶれずに実によく回る一番出来の良いものを譲り受けた素直な喜びが、飾らない言葉で表現されています。秋の日の素朴で温かい交流が目に浮かびます。
木の実独楽まはし重ねて誰を待つ
後藤夜半【現代語訳】木の実独楽をいくつも次々に回しては、誰が来るのを待っているのだろうか。【鑑賞】一つ一つの独楽が回っている時間は短いものです。それを絶やさないように次々と回し続ける様子から、待ち人の到着を今か今かと心待ちにしている、少し手持ち無沙汰で愛おしい時間が伝わってきます。
木の実独楽澄みきつてなほ回りけり
稲畑汀子【現代語訳】木の実独楽が、まるで完全に静止しているかのように澄みきった様子で、さらに回り続けていることだ。【鑑賞】独楽は激しく、かつ安定して高速回転すると、まるで動いていないかのように見えます。その瞬間を「澄みきって」と表現したことで、秋の澄んだ空気感と独楽の美しい回転が見事に響き合っています。

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