闘菊
autumn 植物

闘菊

きくをたたかわす

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意味・由来

「闘菊(きくをたたかわす/とうぎく)」とは、秋に手塩にかけて育て上げた菊の花を持ち寄り、その姿や色、咲き振りの見事さを競い合う行事(菊の品評会)を指す秋の季語です。愛好家たちが丹精込めた一鉢を並べ、優劣を競い合う様子から「闘う」という威勢の良い言葉が当てられています。静かに花を観賞する「菊見」とは異なり、出品者の熱意や審査員の真剣な眼差しが交錯する、独特の熱気と緊張感に満ちた秋の風物詩です。

この季語で詠むコツ

「闘菊」を詠む際は、菊の美しさそのものだけでなく、会場の張り詰めた空気や人間模様に焦点を当てることがポイントです。丹念に吟味する審査員の視線、自慢の一鉢を見守る出品者の緊張感、周囲の観客のひそひそ話など、人間ドラマを切り取ると活き活きとした句になります。また、会場の熱気と対比させて、深まりゆく秋の冷ややかな空気を描写するのも効果的です。

相性のいい言葉・取り合わせ

・審査・評・品定め(会場の緊迫感や厳しさを表す言葉) ・一鉢・見下す・囲む(視線や空間の配置を表す動詞) ・熱気・噂・眼(集まった人々の様子や空気感を表す名詞)

闘菊」の俳句例 (3件)

闘菊や見知らぬ客の同じ噂
正岡子規【現代語訳】菊の品評会で、互いに面識のない客たちが皆揃って同じ菊について感心し、噂し合っている。 【鑑賞】見知らぬ同士であっても思わず声を揃えて褒めてしまうほど、圧倒的に素晴らしい菊が出品されている様子を表現しています。会場のにぎわいと熱量が巧みに描かれています。
闘菊や立ちて見下す一鉢を
正岡子規【現代語訳】菊花の品評会で、ある人が一鉢の菊の前に立ち上がり、上から見下ろすようにじっくりと吟味している。 【鑑賞】丹精込めて育てられた菊を厳しく審査する人物の真剣な眼差しと、その場に漂う緊張感を、無駄のない写生によって的確に捉えた名句です。
闘菊の評に力ある男かな
河東碧梧桐【現代語訳】菊の美しさを競い合う場で、確かな見識と威厳をもって、力強い言葉で評価を下している男がいることだ。 【鑑賞】会場の緊張感の中で、自信に満ちた審査員の声が響く様子を描いています。「評に力ある」という描写から、男の存在感と品評会の熱気が伝わってきます。

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