黄菊
autumn 植物

黄菊

きぎく

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意味・由来

「黄菊(きぎく)」は、秋を代表する花である菊の中でも、鮮やかな黄色い花を咲かせるものを指します。菊は古くから中国より重陽の節句(旧暦9月9日)とともに伝わり、不老長寿の薬草としても尊ばれてきました。特に黄色は五行説などでも重んじられる高貴な色であり、秋の澄んだ青空や、次第に枯れゆく周囲の自然景観の中で、ひときわ鮮やかに光を放つ存在として愛されてきました。

この季語で詠むコツ

黄菊の持つ「色彩の鮮やかさ」や「温かみのある明るさ」を意識することがポイントです。単に花を写生するだけでなく、秋の日の光、肌寒くなってきた空気、あるいは夕暮れの光景などと対比させることで、黄菊の持つ存在感が引き立ちます。また、白菊の「静寂」に対して、黄菊は「陽気」や「暮らしの営み」を感じさせるため、日常生活のなかに溶け込む親しみやすさを表現するのにも適しています。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 光・影(日ざし、夕日、影、夕闇など)
  • 日常の生活(垣根、障子、庭、暮らすなど)
  • 秋の気配(秋晴れ、冷やか、露、風など)

黄菊」の俳句例 (3件)

黄菊白菊そのほかの名はなくもがな
松尾芭蕉【現代語訳】黄色い菊と白い菊。この二つさえあれば、他の色や品種にこれ以上特別な名前などなくても十分に素晴らしい。【鑑賞】菊の美しさの本質を、黄色と白というシンプルかつ究極の二色に集約して讃えた名句です。あれこれと珍しい品種を誇るよりも、ただ黄菊と白菊が静かに咲いている姿にこそ、本質的な秋の風情があると説いています。
暮るるかと見れば明けたる黄菊かな
加賀千代女【現代語訳】夕暮れになって周囲が暗くなったかと思うと、そこに咲く黄菊が自ら光を放つように明るく見えていることよ。【鑑賞】夕暮れ時の光の移り変わりの中で、黄菊の鮮やかな黄色が周囲を照らすように際立って見える瞬間を見事に捉えた句です。花の色彩が持つ生命力と明るさを、光の対比によってドラマチックに表現しています。
黄菊活けて一日の起居定まりぬ
正岡子規【現代語訳】部屋に黄菊を活けたことで、今日一日の生活の落ち着いたリズムがすっきりと定まった。【鑑賞】病床にあった子規が、日常の何気ない生活の中に黄菊を取り入れることで、心に一本の芯が通るような清々しさを感じた句です。黄色の華やかさが部屋を明るくし、心と生活を整えてくれるという、生活に密着した菊の魅力を詠んでいます。

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