桂川の御禊
autumn 地理

桂川の御禊

かつらがわのみそぎ

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意味・由来

「桂川の御禊(かつらがわのみそぎ)」とは、秋(旧暦八月)に伊勢神宮に仕える斎宮(さいぐう)が、都を離れて伊勢に赴く(群行)に先立ち、京都の桂川の河原で行った臨時の禊(身を清める儀式)を指します。平安時代から続く雅びで厳かな神事であり、王朝文学の雰囲気を色濃く残す、非常に格調高い秋の季語です。

この季語で詠むコツ

歴史的・神聖な背景を持つ季語であるため、現代の日常会話のような軽いタッチよりも、静寂、清らかさ、厳かさを意識して詠むのがコツです。水音や風の冷たさ、月光などを取り入れることで、俗世から離れた清廉な世界観を表現できます。歴史的なロマンに思いを馳せ、静かな緊張感を漂わせるように詠むと効果的です。

相性のいい言葉・取り合わせ

清らかさや冷たさを連想させる言葉と好相性です。「月光」「夜寒」「清き流れ」「瀬音」「白衣」などの言葉と合わせることで、御禊の持つ神聖なイメージがより一層引き立ちます。

桂川の御禊」の俳句例 (3件)

みそぎして桂の水をむすびけり
向井去来【現代語訳】桂川で御禊(身を清める儀式)を済ませて、その清らかな桂川の水を手にすくって飲んだことだ。【鑑賞】斎宮が伊勢に赴く前に行う神聖な「桂川の御禊」を背景に、静寂で厳かな秋の空気感を見事に捉えた一句です。「結ぶ」という行為に、神聖な水との一体感や、旅への覚悟が感じられます。
月影の淀まぬ波や御禊川
荒木田守武【現代語訳】月光が照らし出す、滞りなく流れる波よ、これこそが穢れを祓う御禊川(桂川などの禊を行う川)なのだ。【鑑賞】秋の澄んだ月光が川面を照らし、清らかに流れる様子を描いています。御禊が行われる川の神聖さと、秋の夜の静謐な美しさが、澱みのない川の流れを通して表現されています。
御禊してただすの森の夜寒かな
荷兮【現代語訳】御禊を済ませて糺の森(下鴨神社)にたたずんでいると、秋の夜の寒さが身に染みて感じられることだ。【鑑賞】禊を終えた後の、身も心も清まり切った状態に、秋特有の冷気(夜寒)がすっと染み込んでくる緊張感を捉えています。神聖な静けさと季節の移り変わりが一体となった名句です。

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