1473年 - 1549年

荒木田守武

あらきだもりたけ

作風・特徴

機知と笑いを重んじる軽妙な句風。日常の俗語を活かした諧謔的表現で、後の俳諧の基礎となる「笑い」の文芸的価値を確立した。

生涯・略歴

室町後期から戦国時代にかけての俳諧師。伊勢神宮の神官の家柄に生まれ、連歌師・三条西実隆らに学んだ。俳諧(連歌の発句)を独立した文芸として確立させることに貢献した先駆的人物で、「俳諧の父」ともよばれる。著作『守武千句』は独吟百韻一〇巻からなり、笑いと機知を重んじる俳諧の精神を示した。後世の俳諧発展に多大な影響を与えた。

代表句 (3件)

落花枝に 帰ると見れば 胡蝶かな
月影の淀まぬ波や御禊川
季語: 桂川の御禊 (autumn)
【現代語訳】月光が照らし出す、滞りなく流れる波よ、これこそが穢れを祓う御禊川(桂川などの禊を行う川)なのだ。【鑑賞】秋の澄んだ月光が川面を照らし、清らかに流れる様子を描いています。御禊が行われる川の神聖さと、秋の夜の静謐な美しさが、澱みのない川の流れを通して表現されています。
日遣りして伊勢の小歌や誰がならひ
季語: 日やり踊 (newyear)
【現代語訳】日遣りの踊りの中で歌われる伊勢の小歌は、一体誰が教え、誰から習ったものなのだろうか。実に見事なものだ。【鑑賞】地元・伊勢で新春に行われる賑やかな「日遣り」の踊りと、そこで歌われる小歌の親しみやすさに着目し、民俗芸能の生命力と新年の寿ぎを素朴かつ生き生きと表現しています。