刈田道
autumn 地理

刈田道

かりたみち

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意味・由来

「刈田道(かりたみち)」とは、秋の収穫を終えて稲がすっかり刈り取られた田んぼ(刈田)の間を走る小道のことです。夏の青々とした稲や、秋の黄金色に輝く稲穂に囲まれていた道が、刈り入れを終えたことで一気に遮るものがなくなり、広々とした、どこか寂しげな空間へと変化します。切り株の並ぶ田んぼ、乾いた土の匂い、遠くまで見渡せる視界など、晩秋の静けさと大地の安らぎを象徴する、情感豊かな季語です。

この季語で詠むコツ

稲を刈り終えたことによる「空間の広がり」や「視覚的な変化」に注目するのがコツです。これまで見えなかった遠くの山や家並みが見えるようになったこと、あるいは自分の影が長く伸びることなど、光と影、距離感を意識して描写してみましょう。また、刈り跡に残る乾いた土やひこばえ(ひつじ)の青、足元から立つ香りなど、五感(視覚、嗅覚、触覚)を使った写生も効果的です。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 光・影に関する言葉(夕日、西日、影法師、長き影、暮色)
  • 音や動きに関する言葉(足音、乾く、風、歩む、消えゆく)
  • 鳥や自然の言葉(雀、ひこばえ、遠山、畝、泥)

刈田道」の俳句例 (3件)

刈田道を行けば我が影長うあり
高浜虚子【現代語訳】稲を刈り終えた田んぼの間の道を歩いていくと、私の影が長く地に伸びていることよ。【鑑賞】遮るもののなくなった刈田に、秋の傾いた陽光が差し込み、歩く自分の影が長く引き伸ばされている様子を描いています。収穫後の寂しさと、秋の日の暮れやすさを実感させる叙情的な一句です。
刈田道どこまでも日の残りけり
大野林火【現代語訳】稲が刈り取られた後の道を進んでいくと、どこまでも夕日が大地を照らし、光が残っていることだ。【鑑賞】遮る稲穂がなくなったことで、視界が広がり、夕暮れの光が地平線の彼方まで届いている様子を表現しています。広々とした刈田の風景と、秋の終わりの温かくも寂しい光が見事に調和しています。
刈田道ゆくゆくひろき野に出でぬ
阿波野青畝【現代語訳】刈田の間の細い道をずっと歩いていくうちに、やがて目の前がぱっと開け、広大な野原に出た。【鑑賞】刈田のあぜ道を一歩一歩進んでいく歩みのリズムと、視界が徐々に、そして劇的に開けていく空間の広がりが心地よく表現されています。秋の澄んだ空気感も伝わってきます。

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