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「苺の株分(いちごのかぶわけ)」は仲秋から晩秋にかけての季語です。苺は初夏に実を収穫したあと、夏から秋にかけて「ランナー」と呼ばれる細い走出枝を四方に伸ばし、その先に新しい子株を作ります。秋の涼しくなった頃(9月中旬〜10月頃)、この子株を親株から切り離して掘り起こし、新しい畝や鉢に植え替える作業を「苺の株分」や「苺植う(いちごうう)」といいます。冬の寒さを乗り越えさせ、翌年の春から初夏にかけて甘い実をならせるための大切な農作業・園芸作業です。
「苺」単体では初夏の季語ですが、「苺の株分」や「苺植う」とすると秋の季語になります。詠む際には、実の華やかさではなく、土に親しむ素朴な手仕事の情景や、翌年の実りに思いを馳せる静かな期待感を描くのがコツです。スコップを入れる土の湿り気や柔らかさ、土に触れる手の感触、秋の夕暮れの涼風など、五感を通じた生活感を具体的に描写すると詩情が深まります。
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