日前国懸祭

日前国懸祭

ひのくまくにかかすのまつり

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意味・由来

「日前国懸祭(ひのくまくにかかすのまつり)」は、和歌山県和歌山市に鎮座する日前神宮(ひのくまじんぐう)・國懸神宮(くにかかすじんぐう)で、毎年秋(例祭日は10月26日)に行われる厳かな大祭です。両神宮は一つの境内に並び立つ日本屈指の古社で、天照大御神の前駆となった鏡をご神体として祀っています。秋の収穫に感謝し、国の安寧を祈るこの祭礼は、古代からの重厚な神事と、紀州の豊かな秋の風情が色濃く漂う秋の季語です。

この季語で詠むコツ

「ひのくまくにかかすのまつり」と音数が長いため、五七五に収める際は「日前祭(ひのくままつり)」や「国懸祭(くにかかすまつり)」、「日前宮祭(にちぜんぐうさい/ひのくまぐうさい)」などの傍題を活用するのが効果的です。紀伊の国の清らかな空気、神域の深い杜(もり)、紀の川のせせらぎや秋晴れの空といった土地の景観を取り合わせると、格式高い神社の祭礼らしい荘厳さと季節感が際立ちます。

相性のいい言葉・取り合わせ

・紀伊の国の自然:紀の川、潮風、秋日和、宮の杜、杉木立 ・祭礼・神事の情景:太鼓、神楽笛、幣(ぬさ)、玉串、神輿、白足袋 ・秋の深まりを感じさせる語:秋風、秋澄む、暮色、木の実秋の雨

日前国懸祭」の俳句例 (3件)

国懸の祭すむらし月の雨
阿波野青畝【現代語訳】国懸神宮の厳かな祭礼も無事に終わったらしい。月を隠して静かに降る秋の雨に、神域の静寂が戻ってきたようだ。 【鑑賞】祭りの喧噪や神事の緊張感が去った後の、しっとりとした静寂を捉えた名句です。「月の雨」という風情ある言葉によって、秋の夜のしじまと、神社の杜に満ちる清らかな余韻が見事に表現されています。
日前宮祭の風のわたりけり
長谷川素逝【現代語訳】日前宮の祭りの日に、神聖な杜を清々しい秋風が吹き抜けていった。 【鑑賞】秋祭の日に吹き渡る一陣の風の感触を、素直かつ端正に詠み留めた一句です。日前宮の厳粛な神気と、秋晴れの澄み渡る気候が風の一語に凝縮され、神域の清涼な空気が心地よく立ち上がってきます。
日前祭過ぎて十月の海青し
草間時彦【現代語訳】日前宮の秋祭りが終わり、十月の海を見渡せば、どこまでも深く青く澄みわたっている。 【鑑賞】祭りが終わった安堵感とともに、いよいよ秋が深まっていく季節の推移を詠んだ句です。紀州の広大な海景の青さと、祭りの余韻が重なり合い、季節の移ろいを感じさせる鮮烈な色彩美が魅力です。

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