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秋の季語である「花野風(はなのかぜ)」は、萩や薄(すすき)、女郎花(おみなえし)など、色とりどりの秋の草花が一面に咲き乱れる野原「花野」を吹き抜けていく風のことです。春の花を揺らす風が甘やかで暖かみを持つのに対し、秋の花野風はどこか冷ややかで、透き通るような清涼感や、やがて枯れゆく草花のはかなさを漂わせています。草波をさやさやと揺らし、秋の気配と澄んだ香りを運ぶ情趣あふれる季語です。
花野風を詠む際は、風そのものを見ることはできないため、「草花がどのように揺れ動いているか」「どんな音を立てているか」「肌にどんな感触を与えたか」といった五感を意識して描写するのがポイントです。また、華やかな草花の美しさと、背後にある晩秋や冬へ向かう寂寥感(もののあわれ)との対比を意識すると、句に深みが生まれます。
秋草の名(撫子、吾亦紅、桔梗など)、光や影の描写(斜陽、夕日、こぼるる陽、影法師)、動きや音を表す言葉(そよぐ、波打つ、さやさや、渡る)、旅や歩みに関する言葉(杖、道、歩み、裾)などがよく調和します。
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