花野原

花野原

はなのはら

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意味・由来\n「花野原(はなのはら)」は、秋のさまざまな草花が一面に咲き乱れている野原を指す秋の季語です。「花野(はなの)」とも呼ばれます。春の「花」が主に桜を指すのに対し、秋の野に咲く花は萩、薄(すすき)、桔梗、女郎花(おみなえし)など多種多様で、楚々とした風情や哀愁を漂わせるのが特徴です。広大な野原に色とりどりの小花が風に揺れる光景は、どこか寂しげでありながらも華やかで、古くから日本人に愛されてきました。\n\n### この季語で詠むコツ\n単に「草花がたくさん咲いている」という景色の説明にとどまらず、空間の広がりや光、風の動きを意識して詠むのがコツです。夕暮れの斜光、吹き抜ける秋風の冷たさ、遠くに見える山並みなどを捉えることで、花野原のスケール感や移ろいゆく季節の寂寥感が引き立ちます。また、野原の中に一本だけ伸びる小道や、そこを歩く自分自身の心情を取り合わせるのも効果的です。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n・光や風を表す言葉(夕日、秋風、茜空、そよぎ、澄む)\n・空間や動きを表す言葉(道、一本道、遥か、迷ふ、行き交ふ)\n・情緒を深める言葉(寂けさ、旅人、暮色、影)

花野原」の俳句例 (3件)

来しかたや馬上に過ぐる花野原
水原秋櫻子【現代語訳】今まで歩んできた道のりを振り返りつつ、馬の背に揺られながら秋の花が咲き乱れる野原を通り過ぎてゆくことだ。\n【鑑賞】馬上という少し高い視点から、見渡す限りの花野原と自らの辿ってきた過去(来しかた)を重ね合わせて詠んだ格調高い一句です。秋の風情と旅愁が鮮やかに響き合っています。
花野原ひとすぢの路のありにけり
渡辺水巴【現代語訳】広大な花野原の中に、まっすぐ伸びる一本の小道があったことだなあ。\n【鑑賞】一面に咲き広がる秋の花々の中に、ふと見出した一本の細い道。花野の広大さと静寂が、その「ひとすぢの路」の存在によって際立ち、絵画のような澄んだ美しさを感じさせます。
花野原行けども尽きず夕日影
正岡子規【現代語訳】花野原を歩き進めても野はどこまでも尽きず、夕日の赤い光が草花をいつまでも照らしている。\n【鑑賞】広大な野原を歩く景と、傾く夕日の光が織りなす雄大な秋景色を素直に写生した句です。「尽きず」という表現に、秋の夕暮れの深まりと広大な自然のスケールが描き出されています。

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