はいたか

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意味・由来\n「鷂(はいたか)」は、タカ科の比較的小型の猛禽類で、ハトほどの大きさの鳥です。秋になると北方から越冬のために暖地や平野部へと渡ってくること、また古くから秋の澄んだ空を素早く飛ぶ姿が親しまれてきたことから、秋の季語とされています。体色は背が灰褐色(あるいは青灰色)で腹に細い横縞があり、この毛色から「灰鷹(はいたか)」と名付けられたと言われています。古来、鷹狩りではその小回りの利く軽快な飛翔と鋭い狩りの腕前が重宝され、特に雌が珍重されました。\n\n### この季語で詠むコツ\n大空を雄大に旋回するオオタカや鷲などに比べ、鷂は林の木々の間を縫うように低空を猛スピードで飛翔し、小鳥を奇襲するのが特徴です。そのため、詠む際には「鋭敏さ」「スピード感」「張り詰めた緊張感」を意識すると、この鳥らしい生彩が生まれます。獲物を狙う鋭い眼光や、青く澄み渡る秋の空を一閃する影、あるいは梢でじっと息を潜める冷ややかな静寂など、動と静の対比を意識して描写してみましょう。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n- 空・光:秋晴、秋澄む、白日、夕茜、雲の峰去る\n- 地形・植物:梢、雑木林、小松原、枯野、ススキ\n- 動作・情景:一閃、翻る、見透かす、羽風、小鳥のざわめき

」の俳句例 (3件)

鷂の梢はなれぬ曇かな
与謝蕪村【現代語訳】鷂が木の梢にとまったまま、曇り空の下でじっと飛び立とうとしないことよ。\n【鑑賞】どんよりと広がる秋の曇天のもと、高い木の枝先にとどまる鷂の姿を捉えた一句です。獲物を狙っているのか、あるいは冷たい風を避けているのか、動かずにたたずむ猛禽の研ぎ澄まされた気配が、秋特有の重く肌寒い空気感と見事に響き合っています。
はいたかに睨まれながら小鳥哉
小林一茶【現代語訳】恐ろしい鷂に鋭い眼光で見据えられ、怯えて身動きが取れなくなっている小鳥であるよ。\n【鑑賞】強者である鷂と、弱者である小鳥の対比を描いた一茶らしい視点の句です。鷂の容赦ない鋭さと、逃げ場を失い凍りついた小鳥の緊張感がひしひしと伝わってきます。自然界の厳しく張り詰めた瞬間を、シンプルかつドラマチックに切り取っています。
鷂のひらりと落ちる小鳥かな
正岡子規【現代語訳】鷂がひらりと身を翻して急降下したかと思うと、狙われた小鳥が地面へと落ちていった。\n【鑑賞】鷂が獲物を襲う一瞬の早業を、無駄のない写実で描いた句です。「ひらりと落ちる」という軽やかな動詞の連続によって、躊躇なく急降下して獲物を捕らえる猛禽の俊敏さと、無惨にも捕らえられる小鳥のはかなさが、鮮烈なスピード感とともに映し出されています。

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