雁瘡
autumn 動物

雁瘡

がんがさ・がんそう

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意味・由来\n「雁瘡(がんがさ・がんそう)」とは、秋に雁が渡ってくる頃、主に子供の頭や顔、体にできる湿疹やかさぶた(皮膚病の一種)を指す季語です。季節の変わり目の乾燥や体調変化によって生じるおできで、雁の到来時期と重なることからこの名前がつきました。かつてはありふれた日常の光景であり、季節の訪れを身体で感じる生活に密着した季語です。\n\n### この季語で詠むコツ\nどこかユーモラスで哀愁漂う季語ですので、生活感や家族の温かみを表現するのに適しています。単に「痛い」「痒い」という事実だけでなく、子供の愛らしさ、それをケアする親の目線、秋の澄んだ空気といった背景を重ね合わせることで、情緒豊かな句になります。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n・家族(母、父、子供、幼子)\n・動作(掻く、撫でる、洗う)\n・光景(夕暮れ、秋風、盥の水、夕日)

雁瘡」の俳句例 (3件)

雁瘡や盥の底に日の動く
芝不器男【現代語訳】頭に雁瘡(おでき)ができた子供の頭を洗ってやるためだろうか、盥(たらい)に水を張ると、その底に秋の静かな日差しがゆらゆらと反射して動いている。\n【鑑賞】子供の皮膚病という泥臭くも痛々しい日常の一コマを、盥の水とそこに差し込む秋の日光という極めて澄んだ美しい視覚イメージへと昇華させた名句です。清らかな水と光が、子供への慈しみを感じさせます。
雁瘡の痒きばかりの若さかな
小林一茶【現代語訳】頭の雁瘡がただ痒い、痒いと騒いでいるだけで、それ以外は何も悪いところはなく元気いっぱいの若さであることよ。\n【鑑賞】おできの痒みに悩まされる様子を、かえって「若さの特権」のように肯定的に、そしてユーモラスに捉えた一茶らしい温かな視線の句です。貧しさや病の中にもたくましく生きる生命力が描かれています。
雁瘡のいとしきまでによき子かな
久保田万太郎【現代語訳】頭に雁瘡ができてしまって、痒そうにしているその姿さえ愛おしく思えるほど、本当に健気で良い子であることよ。\n【鑑賞】少し見栄えの悪いおできさえも、その子の健気さや可愛らしさを引き立てる要素として捉える、親心のような深い愛情に満ちた作品です。生活感の中に宿る普遍的な家族愛がシンプルに表現されています。

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