会式太鼓

会式太鼓

えしきだいこ

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意味・由来

「会式太鼓(えしきだいこ)」とは、日蓮宗の宗祖・日蓮聖人の忌日法要である「御会式(おえしき)」(陰暦10月13日、現在は新暦10月11日〜13日前後、特に東京の池上本門寺が有名)の際に打ち鳴らされる団扇太鼓(うちわだいこ)の音のことです。 信徒たちが「南無妙法蓮華経」のお題目を唱えながら、柄のついた円形の太鼓をリズミカルに打ち鳴らし、万燈(まんどう)とともに練り歩きます。秋が深まり澄み渡る夜空に、ドンドンと激しく響き渡る太鼓の連打は、晩秋の風物詩として古くから親しまれています。

この季語で詠むコツ

会式太鼓は「聴覚」に強く訴えかける季語です。目の前で打ち鳴らされる熱気や迫力を捉えるのも良いですし、遠くから風に乗って届くかすかな響きに耳を澄ませる構図も詩情が生まれます。 秋の夜の冷気や静寂と、太鼓の熱狂や重低音という「静と動」「冷と熱」のコントラストを意識して詠むと、季語の持つ情感が一層引き立ちます。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 気候・情景を表す言葉:夜冷(よるざめ)、霜夜(しもよ)、澄む、星合(ほしあい)、門前、闇
  • 音や動作を表す言葉:遠響く、打つ、連なる、夜更け、息白し、群衆

会式太鼓」の俳句例 (3件)

会式太鼓打つては熱き息を吐き
高浜虚子【現代語訳】御会式の団扇太鼓を夢中で打ち鳴らしながら、熱い息を吐き出している。【鑑賞】太鼓を激しく連打する信徒の姿を間近で写生した一句です。晩秋の冷え込む夜気の中で、太鼓を叩く人の身体から立ち上る熱気と吐き出される息の白さ・熱さが生々しく伝わってきます。
会式太鼓遠きはひびき一つなる
中村草田男【現代語訳】遠くで鳴り響く御会式の太鼓は、無数の音が重なり合い、一つの大きな響きとなって届いてくる。【鑑賞】現場の喧騒から離れた場所で耳を傾けている場面です。数千数万の団扇太鼓の音が、距離を隔てることで溶け合い、夜空を震わせる一つの巨大なうねりとなって届く情景を鋭く捉えています。
会式太鼓きこえそめけり下谷町
久保田万太郎【現代語訳】下谷の町にも、いよいよ御会式の太鼓の音が聞こえ始めてきたことだ。【鑑賞】江戸情緒を愛した万太郎らしい一句です。下町の生活空間に太鼓の音が響き始めたことで、今年も晩秋のこの季節が巡ってきたという感慨を、街への愛着とともに淡々と詠み上げています。

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